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大阪のキャバ嬢「ひめか」に数億円つぎ込む

 Tの事務所に現れた関戸は努めて冷静さを保とうとしていたという。

「最近、菊地とはどうなのか? 今後のことについても話しているのですか?」というT弁護士の質問に対し、関戸は「このところ会ってもない」と実にそっけない返事をするだけだった。

 カネが回らなくなっているエクシアの内部崩壊を予感させるような雰囲気が関戸からは滲んでいたそうだ。

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 一方、エクシア代表の菊地翔は何をしているのか。大阪のキャバ嬢「ひめか」にとことん入れあげ、尋常ならざるカネをつぎこんでいることは既に報じたとおりだ。記事の出た後、菊地とひめかとの間に距離が出てきたとは聞いていた。ひめかは周囲から菊地と縁を切るよう勧められていたという。

ひめかと菊地氏

 事態が動いたのは今年に入ってからだった。ひめかは突如としてTwitterで「皆様からのご指摘のある菊地翔」について「今までの気持ちと今の気持ち」を表明する。かいつまんで言うと、尊敬する客として接しているうちに好意を抱いてしまったが、周囲から菊地の仕事のよろしくない評判を指摘され、別れを決心したというものだ。

菊地翔氏との別れを告白したひめか(本人Twitter)

 菊地はひめかに数億円はつぎ込んだとも言われている。傷心の菊地は、昨今はもっぱら東京・六本木にあるバー「アゲイン」に入り浸りになり夜ごと泥酔しているという。

地元の高校を卒業後、「東京モード学園」に進学

 エクシアに対する訴訟が増える中、菊地は社内のある幹部と別の投資会社を立ち上げようとしていた。その動きは関戸らほかのエクシア幹部には伝えず秘密裡に計画されたものだったが、資金集めなどが上手くいかずその話は立ち消えになった。

 こうした状況でも菊地は次々と新たな儲け話を考え、カネを集めようとしているのである。そして巨額の資金を集めては放蕩を繰り返す。この特異な男はどんな風に生まれたのか。

 菊地は北海道札幌市で生まれた。父は保険会社に勤めるサラリーマン。母は専業主婦。地元の高校を卒業し、東京の専門学校「東京モード学園」に行く菊地を数人の友人らが千歳空港で見送った。

「頼平、頑張れよ」

 友人らは口々に励ました。この頃、菊地はまだ「翔」ではない。「頼平」と呼ばれていた。そう、菊地の本名は「菊地頼平」(きくち・よりへい)だった。後に取得する「翔」とは余りに落差を感じる古風な名前だ。