東南アジアのラオスで交際相手を殺害した疑いで当局に逮捕、公判を待つ身の謎の日本人「オグ・ヒロユキ」。
ノルウェー人のネリド・ホイネスさんは2019年にタイのパンガン島でオグと出会い、恋に落ちた。だが、その数カ月後、ラオスのジャングルで変わり果てた姿で見つかった。ネリドさんの遺族は、2人の間に何があったのか今も真相を探し続けている。
「トラブルメーカー」「近づいてはいけない人物」――。オグの素顔や2人が出会ったパンガン島での異様な暮らしぶりが見えてきた。(前回を読む)
20年近く東南アジアで暮らすオグ・ヒロユキ
現在40歳のオグは20年ほど前に日本を出国後、ラオスやカンボジア、タイの首都・バンコクなどを転々としたのち、パンガン島に行きついたという。人生の約半分を東南アジアで過ごしていたことになるが、どのような人物なのだろうか。
パンガン島の日本食レストランで働くA子さんは語る。
「なぜ彼が日本を出てこっち(パンガン島)に流れ着いたかは知りません。私も日本での話を根ほり葉ほり聞きませんからね。彼も日本の話はしませんでしたし。東南アジアでの生活は20年近くになるんじゃないでしょうか。各国で観光ビザを更新しては住み続けていると本人から聞いたことがあります」
東南アジアでは、観光ビザの期限が切れそうになった場合、隣国に入国し別の観光ビザを取得することで各地を転々としながらの長期滞在が可能なのだという。だが、観光ビザでは就労もままならない。どのようにして生計を立てていたのだろうか。
「オグから直接聞いた話ですが、カンボジアやラオスあたりで女の子を買って、バンコクの組織に売り飛ばす“女衒”のようなことをしていたそうです。こっちは正直びっくりしたんですが、オグは悪びれた様子もなく、淡々とした調子で話していましたね」(同前)