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“侍”のような生き方に憧れていたオグ

 前出のA子さんは、オグを含めた友人グループで夜を過ごしたときのことを振り返る。

「とにかく彼は寝ないんです。普通は寝るときにベッドに入って横たわるでしょ。彼は座って壁によりかかるだけで、ほとんど目をつぶらないの。しかも、黒い編み上げブーツを履いたままの状態で。『いつ敵が来るかわからないから』って言うわけよ」

 いささか突飛な人間性がうかがえるが、A子さんは笑う。

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「何者かが本当に彼を探して追っているわけではないらしいんです。本人は“侍”のような生き方に憧れを持っているらしくて。『生まれてくる時代が間違ってたんじゃないの』なんて冗談で本人に伝えたこともあります。そういう風変わりなところも、見方によっては面白いと思うのよね」

 出会って2週間程度で結婚を意識するようになったネリドさんも、オグのミステリアスな魅力に取りつかれてしまったひとりなのだろうか。まさか出会って数カ月で命を落とすことになるとは思ってもみなかっただろう。だが――。

100人に聞いたら100人全員が『ついにやってしまったか』と

「最初に事件のことを聞いたときに驚きはなかったですね。ネリドさんのことは見たこともないですし、2人のことは分かりませんが……。オグを知っている100人に聞いたら、100人全員が『ついにやってしまったか』って思うんじゃないの? それくらい危ない男に見えましたから」(同前)

ネリドさん

 ラオスで起きた殺人事件の裁判は未だ始まっておらず、恋仲だった2人の間に何があったのかは判然としない。遠く離れたノルウェーで、ネリドさんの遺族はオグが真相を語る日を待ち望んでいる。

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