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「常に夫の付属品のように感じた」キャリア絶頂期で専業主婦に…シンガポールに移住した鈴木ちなみ(33)が語る、“駐在妻の孤独”

「常に夫の付属品のように感じた」キャリア絶頂期で専業主婦に…シンガポールに移住した鈴木ちなみ(33)が語る、“駐在妻の孤独”

鈴木ちなみさんインタビュー#1

2023/03/19
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シンガポール移住のきっかけ

――そもそも、シンガポール移住のきっかけはなんだったのでしょう?

鈴木 2020年に結婚したのですが、そのときからパートナーに「近い将来は海外で働きたい」と言われていました。で、翌年子どもが生まれたタイミングで「海外で仕事ができそうだ」と話があったんです。

――では鈴木さんとしては、いつか海外移住する心づもりがあったんですね。

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鈴木 「早晩その日が来るだろう」と思っていました。ただ移住先は決まっていなくて、最初はインドという選択肢もあったんです。でも、シンガポールでもこんなに大変なので、一度も訪れたことのないインドに移住していたら今頃もう日本に帰っていたかもしれません(笑)。

――赤ちゃんを連れての海外移住、不安はなかったですか。

鈴木 正直、渡航前はシンガポールでの暮らしに想像がつかなすぎて、逆に不安はなかったんです。それより眼前の問題として、生後数ヶ月の赤ちゃんをほぼワンオペでみながら家族3人分の荷造りをしなくちゃいけないことが重荷で重荷で、出発前は連日徹夜でした。

 そのストレスで口の中がずっとピリピリしてて、シンガポールに向かう飛行機に乗れたときは、「ああ、無事に出発できた」と安心感でいっぱいになったくらいでした。

到着した日の鈴木ちなみさん

――それまで第一線で活躍されていただけに、海外移住の決断は難しくなかったですか?

鈴木 友達からも「結婚してからもバリバリ働くと思っていた!」と言われるくらい仕事が好きなんですが、子どもが生まれてからは家族と一緒にいることの優先順位が高くなったので、移住はすんなり決断できました。

シンガポールの家

 ただ、もし日本に住んでいたら、子育てをしながらもっと仕事ができていたのかもしれないと思うことは多々ありますよね。

――鈴木さんの中で「専業主婦」という選択はなかったですか。

鈴木 うちは母がずっと働いていたので、下の妹2人と「専業主婦には絶対ならないよね」と小さい頃から話していたくらい、仕事を続けることが当たり前という環境で育ってるんです。その代わり、共働きの我が家では習い事や学校の送り迎え含めてずっと祖父母がサポートしてくれていたので、寂しい思いをしないですんだんですよね。

 そういった意味で言うと最近、外国人のお友だちが「日本のお母さんは本当にすごい」と言っていて。というのも、ナニーの手を借りることなくみんな家事をこなしているし、子どもを連れて遊んでいる、と。しかも、お母さんと子どものペアを見かけることが多いとも言っていて。