春の足音が近づき、テレビ各局も番組改編期を迎えようとしている。TBSでは、まだ告知はないようだが、今月後半あたりにもまた、秋とあわせてこの時期恒例の大型番組『オールスター感謝祭』が生放送されるはずである。きょう3月2日、その『感謝祭』で総合司会を30年以上にわたり務める島崎和歌子が50歳の誕生日を迎えた。

18歳で『感謝祭』の司会に抜擢

 島崎は『感謝祭』のスタートとともに司会を18歳で始めた。現在でいえば芦田愛菜と同じ年齢だが、元子役の芦田がすでに10年以上の芸歴を持つのに対し、当時の島崎はまだデビュー3年目のアイドルにすぎなかった。番組スタート時より一緒に司会を務めた島田紳助とは、同時期にTBSの『青春!島田学校』や『クイズ!当たって25%』(『感謝祭』と同じ4択クイズ番組)で共演し、両番組のスタッフも『感謝祭』と重なっていた。ただ、そのような事情があったとしても、約3時間(放送開始当時)もの生放送、しかも200人もの出演者が一堂に会す番組を仕切る役に、ほぼ新人のアイドルが起用されたのは大抜擢であっただろう。

©文藝春秋

 月日は流れ、2021年10月には放送30周年および60回目を迎えた。この間、紳助は2011年に芸能界を引退し、番組初期からのスタッフもほとんどが偉くなったりして現場を離れ、そのなかで島崎は番組スタート時より携わるほぼ唯一の存在だろう。それだけに、番組での彼女の役割は回を追うごとに重さを増し、本人もそれを自覚するようになった。

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《自分の認識としては、もうタレントっていうよりも、あの番組のスタッフのつもり。多分、AP(アシスタントプロデューサー)くらいじゃないですかね(笑)》とは、昨年、『週刊文春』の連載対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」に出演したときの発言だ(2022年2月10日号)。これに続けて、次のように語っている。

(左から)阿川佐和子、島崎和歌子 ©文藝春秋

《いやですよねえ。自然とそういう裏方の部分にまで目が行くようになっちゃって。打ち合わせもしっかりやるし、当然リハーサルもやります。リハ中はホントに細かいところが気になるんですよ。演者さんが座った時に、その位置で準備してると次の出し物がわかっちゃうでしょとか、フロアのディレクターさんには、上の指示なんか忘れて現場の自分が全部動かしてるつもりでやんなさい、とか(笑)。(中略)女優さんは、芸人とかバラエティ慣れしてるアイドルとは違うから、移動を急かすために背中押したりしちゃだめだよ……とかアドバイスまでしちゃって。わたしゃ何者だよって感じですよね(笑)》

30年のあいだに身に沁みた「生放送の怖さ」

 ただ、これほど長くやっていても、『感謝祭』ではいまだに緊張するらしい。本人はその理由を、毎週あれば番組の進め方やリズムにも慣れてくるが、《年に2回だと、次のときには前のことを忘れちゃっているのよ(笑)》と冗談めかして語っている(『週刊大衆』2022年3月28日・4月4日号)。