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「還暦グラビア」の野望も

『感謝祭』では、18歳のときから同じことをやってきたため、年を取ったことがリアルに実感できてしまうともいう。放送時間もスタート時は約3時間だったのが、いまでは5時間半となり、MC席で立ちっぱなしだと足がむくんだり大変なようだ。ここ数年で物忘れも多くなってきて、MC用のデスクは走り書きのポストイットだらけらしい。

 それでも、必要とされる限り仕事は続けたいと、《『感謝祭』の司会の椅子も、当分譲るつもりないですからね》と強調する。なかには譲ってほしいと言ってくる後輩もいるが、《絶対ヤダって答えてます。どんだけ苦労してきたと思ってんだ!(笑)》と突っぱねているという(『週刊文春』前掲号)。

「驚愕セクシー」を謳う写真集『wakako 島崎和歌子写真集』(2001年、バウハウス)

 かつては写真集を出したり、週刊誌でもたびたびグラビアを飾り、美容の仕事も多い。前出の『文春』での対談では、《若作りも結構がんばってきたけど、しっかり歳とっていく姿を画面越しに届けるのも、芸のひとつかもしれない》と語る一方、同時期のインタビューでは、50歳を前にグラビアへの再挑戦もほのめかしていた。2020年に俳優の宮崎美子が61歳にしてビキニ姿を披露したときには、その美しさに衝撃を受けたという。自分もこれにならい、10年後の「還暦グラビア」のため、《今からちゃんと体を作っておこうと》と意欲を示した(『週刊大衆』前掲号)。

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朝ドラ『らんまん』に出演予定

 一方で俳優としても、平日昼の帯ドラマで主演を何度か務めるなど、実績を重ねている。2010年の大河ドラマ『龍馬伝』の制作が発表されたときには、主人公の坂本龍馬と同じ高知出身とあって、自分も出たいとNHK高知放送局などあちこちで盛んに言いまわった。そのかいあって、杉本哲太演じる龍馬の兄・坂本権平の妻の千野の役を射止める。

 来月3日スタートのNHKの連続テレビ小説『らんまん』にも出演が決まっている。植物学者の牧野富太郎とその妻をモデルとしたこの作品の舞台も高知で、彼女の役どころは楠瀬喜多という実在の女性がモデルだという(劇中での役名は楠野喜江)。

 楠瀬は、明治時代の自由民権運動のなか、政治に強い関心を抱き、板垣退助などとも交流した人物だ。また、女戸主として納税の義務を果たしながら、選挙への投票権がないのは不当として、税金滞納戦術をもって抗議するなど、のちの婦人参政権運動の走りのような行動も起こしている。「民権ばあさん」とも呼ばれたこの女性を下敷きに島崎がどんなふうに役づくりしてみせるのか、『感謝祭』とあわせ、春が来るのが待ち遠しい。