ーー親はなぜ懲らしめを行う?
親は子供をしつけようと思って、子供の幸せを真剣に考えた上で懲らしめを与えるので、子供が憎くてやってるわけではないんです。
私が従順であれば、とても優しいし、そういう母親が好きでした。
助かったはずの多くの命が失われた
一方、輸血に関しては、聖書の「血を食べてはならない」という教えをもとに、“輸血拒否カード”を365日身に着けていたという。
ーーなぜ輸血をしない?
教団の集会では、医学の進歩によって無輸血でも代替治療があるから決して命を軽視しているわけではない。無輸血治療は体に良く、リスクも避けられる素晴らしい治療だという説明がされて信者は安心していました。
しかし、本当は助かったであろう命が失われた事例を大人になってたくさん見聞きしました。
そうして亡くなった子供たちがまるで英雄のように雑誌の表紙を飾り、教団内では喜ばしいことであると教えられていることに対しては、激しい怒りを感じますし、残念な気持ちでなりません。
「隣の家に生まれたかった」
一方、13歳から20歳まで信者だった小松さんは、20年前に教団を脱会した。
しかしその後は、20年経っても、両親・兄との交流は途絶えたままだという。
ーー家族との交流は?
教団と「断絶」した人とは、家族であってもコミュニケーションをとってはならないという取り決めがあり、共に食事をしてはならない、声を掛けてはならない、となっているため、私も父、母、兄とそういう状況です。
脱会して20年経ちますが、家族からは「戻って来なさい」と数年に1回手紙が来ます。
直接会って「孫も生まれたから家族としての交流を再開できないか?」と、話し合いも重ねてきましたが、「あなたが戻ってこない限りは再開はできない」と言われています。
ーー他の家族を見てどう感じていた?
幼少期のころは友達が誕生会やクリスマス会など楽しそうにしていたり、家で好きなテレビを見て、好きなおもちゃやゲームで遊んでいるのを見て、すごく羨ましかったです。
「どうして自分の家はエホバなんだ。隣の家に生まれたかった」というのが正直な気持ちでした。
今は自分の家族もできたので、この家族を大事にしようと生きています。