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総額3100万ドルもの資金を受け取った疑い

 最初にハンターの前に現れたのは、車峰というさまざまなビジネスを手掛けていた中国人です。政官財とあらゆる分野に顔が利くので、ハンターたちは彼のことを「スーパー・チェアマン」と呼んでいました。車峰の義父は中国人民銀行トップでのちに天津市長も務めた戴相竜。ビジネスパートナーの一人には馬建という元国家安全省次官がいました。

 ハンターらは車峰のバックアップを受け、ボハイ(渤海)・ハーヴェストRSTという投資法人を中国に立ち上げます。バイデン家の弁護士は組織設立の最終交渉にハンターは関わっていないと主張していますが、ボハイが北京で設立を認められたのは、ハンターが父ジョーとともにエアフォース2で中国を訪れた10日後のことでした。ハンターはボハイの株式の10%を提供され、国有のコングロマリットや投資会社の紹介を受けます。ところがこの株式取得もハンターに十分な資金がなかったため、中国人幹部から借りています〉

ハンター・バイデン氏(中央)©時事通信社

 ハンター氏の前には次々と裕福な中国人が現れ、ビジネスの話を持ち込む。そして億円単位の資金提供を持ちかけられる。シュバイツァー氏によれば、総額3100万ドルもの資金を受け取った疑いがあるという。

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今後、ハンター氏は下院で証言させられる可能性も

 父ジョー・バイデンはその後、大統領になった。息子の件が問題にならないはずがない。上院委員会に提出された資料によれば、資金提供した中国企業の幹部は「これはハンターに貸したのではない。バイデン家に貸したものだ」と書き送っているのだ。

バイデン大統領 ©AFP=時事

 シュバイツァー氏はこう指摘する。

〈昨年、中間選挙で共和党が下院で多数派となり、米議会もようやく動き始めました。米下院の監視・説明責任委員会は1月30日、バイデン家の疑惑を取り上げる公聴会を開くと発表しました。共和党選出のジェームス・コマー委員長は、「バイデン家は敵国から多額のコンサルティング料を受け取っている。見返りがないとは思えない」と語っています。今後、ハンターは下院で証言させられる可能性が高いと思います〉

「文藝春秋」4月号(3月10日発売)掲載の「バイデン息子は中国とズブズブ」では、中国による「エリート捕獲」の罠にはまったハンター氏への資金提供の詳細な実態、さらにテスラのイーロン・マスク氏が、上海工場新設の過程で中国共産党に取り込まれていったプロセスが明らかにされている(「文藝春秋 電子版」では3月9日に公開)。

文藝春秋

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バイデン息子は中国とズブズブ