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《沈みゆくラジオの王様》TBSラジオの“独裁者”が破壊する「数字」と「社風」と「伊集院光」

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「伊集院、おまえなんだよ。レーティングで裏はねえだろ」

 2月21日深夜放送の『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で太田光が熱弁をふるった。ラジオの聴取率調査週間に、『安住紳一郎の日曜天国』の裏番組で伊集院光が『オールナイトニッポン』の55周年特番に出演。太田が“TBSラジオの看板”と称する伊集院の行動を問題視したのだ。ラジオ関係者が説明する。

三村社長がレーティングの裏番組に出ても構わないと言った

「2ヶ月に1回ある聴取率調査(=レーティング)は、テレビの視聴率調査と同じようなもので、番組はその数字で判断されます。各局とも、その週を“スペシャルウィーク”と呼んでいて、リスナーへ豪華プレゼントをしたり、大物ゲストを呼んだりして力を入れます。太田さんは『安住、伊集院はTBSラジオの二枚看板なんですよ』と話した上で、大事なレーティングの時に裏番組に出た伊集院さんに疑問を投げ掛けたのです」

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 太田が「いくらなんでも、レーティングでは…」と言うと、伊集院は「いやでもね、三村社長がスペシャルウィークやめる時に、『レーティングの週に裏番組出てもいいんですか?』と聞いたら、『全然構いません』と言ったんだよ」と話したという。

太田光 Ⓒ文藝春秋

伊集院とTBSラジオ上層部の冷え切った関係

「三村孝成氏が2018年6月に社長に就任。その半年後、TBSラジオはスペシャルウィークを辞めました。聴取率調査を重視せず、ネットで聴けるradiko(ラジコ)のデータで評価する方針に変えました。TBSラジオは一昨年まで約20年間も聴取率調査でトップでしたが、昨年は4位に落ちることもあった。しかも、radikoの数字も良くありません。2022年、radikoの聴取人数はニッポン放送がすべての月で首都圏全局の中で1位でした」(同前)

 太田は「安住、伊集院はTBSラジオの二枚看板」と言ったが、それは一昔前のこと。2016年4月に始まった朝のワイド番組『伊集院光とらじおと』は昨年3月に終了。もう1つの番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』はまだ続いているが、伊集院とTBSラジオ上層部の関係は冷え切っているという。

TBSラジオが内外ともに揺れている

「『女性セブン』にアシスタントへのパワハラを報じられたことをキッカケに、伊集院さんは自ら降板すると言った。しかし、終了について番組でリスナーに報告する際、上層部から話す内容を提案された。これによって、伊集院さんとTBSラジオ上層部の仲は修復しがたいものになった。元々、伊集院さんはスペシャルウィークの廃止に否定的でしたし、三村社長のやり方への不満を『深夜の馬鹿力』で度々述べていました」(スポーツ紙芸能記者)