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「そんなにあげられない」「消しゴムで修正」国立病院機構グループ病院で看護師の残業時間の“改ざん”が横行

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こうした管理体制の法的な問題点

 労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木亮弁護士は、こう指摘する。

「実際に働いた時間を、上司が主観で書き換えるのは労働基準法違反。たとえ事前に残業申請がなくても、残業せざるを得ない業務があれば、『黙示の指示』として労働時間に含まれますので、勝手に書き換えていい理由にはなりません。また、労働時間については『客観的な記録』を残す必要がありますから、『あえて鉛筆で』は論外。タイムカードの場合も、上司が修正したら赤字になるなど、書き換えの記録が分かるようにする必要があるでしょう」

東京医療センター内に掲示された厚労省の貼り紙

 看護師の超過勤務の申請を認めなかったり、勤務時間を短く修正したりする実態について、NHO本部に問い合わせるとこう回答した。

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「超過勤務につきましては、事前に超過勤務命令を、または事後に確認をし、労働実態があるものにつきましてはきちんと手当を支給しています。NHOは140の病院が所属する法人であり、タイムカードを導入するなど、勤務時間の管理に一斉に今取り組んでいるところです。いくつかの看護師さんからお声があるということは真摯に受け止めながら、未来に向かって自信をもって教育研修を進めていきたいと思っております」

 3月8日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および3月9日(木)発売の「週刊文春」では、小誌に届いたNHOの看護師、病院幹部、本部職員らの多数の告発を紹介し、NHOが病院にコスト削減を迫る理由や、手術室で漏水するなど病院の老朽化の様子、さらにNHO本部の主要部署への厚労省役人の“天下り”の実態、NHOの実務トップの副理事長への直撃内容などについて詳報する。

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