渡辺博道復興相(72)が所属する派閥「平成研究会」が開催した政治資金パーティが、約3000万円の被害が出たとされる詐欺事件に利用され、渡辺氏の親族もこの事件に関係した疑いがあることが、「週刊文春」の取材で分かった。政治資金パーティの写真などを入手した。
渡辺氏は松戸市役所職員、千葉県議などを経て、1996年に初当選。当選8回の“叩き上げ”で、平成研究会(現茂木派)に所属している。
「安倍政権時代の2018年、復興相として初入閣。昨年12月、秋葉賢也前復興相の更迭に伴い、再登板しました」(政治部記者)
かつて、“骨肉の争い”が取り沙汰されたこともあった。
「『週刊新潮』が2002年に実姉の告発記事を報じたのです。渡辺氏は実家のタクシー会社『渡辺交通』の実権を握ると、長姉を追い出し、不動産投資で約70億円の借金を抱えたという内容だった。長姉らは『お金に汚いだけの政治家』と訴えていました」(同前)
その渡辺氏を巡り、親族が関係する新たな金銭トラブルが浮上した。
「パーティで大臣に会えばこの話が嘘じゃないと分かるよ」
「渡辺大臣の署名入り文書を見せられ、儲かる話かもと思いました。その後、大臣の叔父のMさんにパーティで大臣を紹介され、完全に信用した。それで3000万円を投資したのですが……」
そう明かすのは、関東地方在住のA氏だ。
A氏は2018年末、旧知の不動産業者Bさんから株の儲け話があると誘われ、東京・池袋の料亭で会ったという。そこで示されたのが、大臣の筆跡のような署名入り文書だった。
「週刊文春」が入手したその文書は、B氏宛のもので、2018年12月18日付で〈復興大臣 渡辺博道〉と署名捺印がなされている。タイトルは〈確約書(支払保障)〉で、本文は以下のように綴られていた。
〈今般私の叔父M(原文は実名)に金四拾壱億円の精算保障を確約しその認として本書を差し入れます 精算日は平成31年3月末日と致します〉
そしてB氏は、A氏にこう囁いたという。
「大臣だけの特別な株式運用がある。Mさんが目標額の41億円を集めて1カ月で倍になって返ってくる。大臣が保証するって。お前も金を出さないか? パーティで大臣に会えばこの話が嘘じゃないと分かるよ」