パーティで渡辺氏を紹介され3000万円を投資
A氏が言う。
「ただ、この時は荒唐無稽な話に半信半疑でした」
その後、翌2019年3月13日に開かれた平成研究会(当時は竹下派)の政治資金パーティに、渡辺氏の親族であるM氏に招かれ、A氏はB氏とともに参加。この場でM氏から、復興相だった渡辺氏を紹介されたという。
「握手や写真撮影に応じてもらい、凄い世界と思った。信用して早速、友人に声をかけ、10人弱から3000万円を集めました。1カ月後、池袋の同じ料亭でBさんに現金で手渡した。Mさんにも電話で『B君にお金を任せれば大丈夫だ』と言われました」(同前)
ところが、急に連絡が滞るようになったという。
「問い合わせると、Bさんは『返金が遅れそうだ』、Mさんも『事情があって返金が遅れている』と歯切れが悪くなった。2020年になっても返金は無く、連絡が取れなくなった。出資した知人からは縁を切られ……懲り懲りです」(同前)
B氏は取材に対し、次のように語った。
「Aさんも誘って、彼からは3000万円を池袋で預かりましたね。パーティでは、Mさんが『おい博道』と大臣を呼びつけ、記念撮影をさせてくれて驚いた。大臣からは『叔父をよろしく』とポンポンと肩を2度叩かれた。茂木敏充(現幹事長)さんとも写真を撮った。Aさんの3000万円はMさんから返金されなかったみたい」
渡辺氏の義理の叔父M氏に話を聞くと…
M氏は、渡辺氏の妻・千代子氏の兄の弟、つまり、渡辺氏の義理の叔父にあたる。そのM氏は取材に対し、こう語った。
――(“41億円確約書”は)渡辺氏に書かせた?
「こんなことは頼まないですよ、私。渡辺博道は物凄い真面目な人だから。俺の字かもしんない。B君にそんな風に書いてと頼まれて書いたのかもしれない」
――Aさんは、3000万円返してもらえない、と。
「一銭も俺に来てないです。Bさんのところで止まっていると思う。Bさんの話だと、俺が『A君頼むぞ』と言ったとか言わないとか。頼んだ覚えないですから」