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ジャニー氏の問題を取り上げた週刊文春とジャニーズ事務所の訴訟
番組には週刊文春の記者も出演している。というのも、日本のメディアが沈黙を続ける中、この問題を唯一正面から取り上げたのが1999年10月から14週にわたって展開した小誌のキャンペーン報道だったたからである。
一連の記事で、最も深刻な問題として告発したのが、ジャニー氏による性的虐待だった。
「ユー、今日ウチへ来る?」
との誘い文句で少年たちを“合宿所”や、滞在するホテルの部屋に招き、行為を繰り返していたのだ。
キャンペーン開始後の1999年11月、ジャニー氏と事務所は、小社・文藝春秋に対し名誉毀損の損害賠償を求めて提訴。審理では、ジャニー氏本人や記事で証言した少年2人も出廷した。
2002年3月の東京地裁判決は少年らの供述の信用性を認めず、小誌が敗訴。メディアはその事実を大きく取り上げた。だが東京高裁では状況が一転。2003年7月に下された判決ではジャニー氏の性虐待について、こう論じられている。
〈原告喜多川が(中略)セクハラ行為をしているとの記述については、いわゆる真実性の抗弁が認められ、かつ、公共の利害に関する事実に係るものである〉
ジャニー氏の性的虐待を認定し、名誉毀損には当たらないとしたのだ。重要視されたのがジャニー氏の証言だ。
少年たちの性的虐待についての告白に対し、法廷で「彼たちはうその証言をしたということを、僕は明確には言い難いです」と述べていたのである。
その後、ジャニーズ側は最高裁に上告したが、2004年2月に上告棄却。高裁判決が確定した。