証言が全く異なるB子さんと伊沢被告
B子さんに対する名誉毀損自体は認めていたが、B子さんとの関係について伊沢被告はこう主張していた。
「初診時にB子に誘われて行ったバーで睡眠薬のような毒を飲まされて、その後自宅で性行為に及んだ際に現金30万円を盗まれた。2回目に会った際にクリニックで薬を2000錠盗まれた」
しかし伊沢被告とのLINEのやり取りなどが残るB子さんの証言はまったく異なり、裁判所はB子さんに軍配をあげた。
「被告人は金を払って患者であるB子と性行為をしたり、被告人自身にとって必要な薬品を入手するためB子に対する処方箋を出す形で薬を受け取らせてこれを買い取るなどしていた」(判決文より)
逮捕歴があっても歌舞伎町の人気の医者に
事実とかけ離れたことを平気で主張する精神科医の伊沢被告。今回の犯行は2021年4月に暴行罪により懲役3カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた後の猶予期間中だったため、実刑判決となった。伊沢被告の犯罪歴はこれにとどまらない。
「20年近く前、伊沢は診察室で女性患者を殴って傷害罪で有罪が確定し、2007年には医業停止2年の行政処分を受けています。その業務停止処分中に、リタリンという強い向精神薬を102万錠と、とんでもない量を処方していたことが発覚して大きな社会問題にもなっています。2008年11月には元患者で交際していたとみられる女性に対するストーカー規制法違反と脅迫の疑いでも逮捕されています。しかしその後、歌舞伎町の『じゅんじゅん』として人気の医者になってしまいました。夜の仕事をする女性を中心に睡眠薬などをバンバン出すなど、人気の裏で倫理観の崩壊している人間です」(医療関係者)
厚労省には医師免許の取り消しの基準を厳格化する動きもある。数々の犯歴のある伊沢被告についてどのような判断をするか注目が集まる。
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