日曜ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日テレ系列)がSNSを沸かせている。放送されるたび「#ブラッシュアップライフ」がTwitterトレンド入りするのは、もはや見慣れた光景だ。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』日本テレビ公式サイトより

 その理由は、一味違う“転生もの”ともいえる斬新な設定はもちろんのこと、アラサー女性の“あるある”を見事に表現している脚本にある。

 脚本を手がけるのは、芸人であり映画監督としても活躍するバカリズム。なぜ40代男性であるバカリズムが、これほどまでに30代女性のリアルを描き出せるのか?

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“懐かしすぎる!”ドラマに登場するアレコレ

 主人公は、安藤サクラ演じる近藤麻美。不運にも33歳で交通事故に遭い亡くなってしまった麻美は、真っ白な死後の世界で案内係(バカリズム)から「来世はオオアリクイ」と告げられてしまう。

 オオアリクイではなく人間として生まれ変わるために、これまでの人生をリセットしてやり直すことを決めた麻美。「望んだ生命に生まれ変わる」ためには、徳を積まないといけないらしい。つまり、人生をブラッシュアップしないといけないわけだ。

 麻美は1989年の平成元年生まれで、筆者とまったく同じである。麻美が人生を周回するたびに、同世代にとっては「懐かしい!」の一言に尽きるカルチャーが続々登場する。とくに郷愁をそそられるアレコレを紹介したい。

「けっこうシビア」なシール交換

 小学生女子にとって、プロフィール帳の交換は現在も続く普遍的な文化だ。シール帳を持ち寄ってシール交換をする風習もあった。ドラマでも、麻美と同級生のなっちこと門倉夏希(夏帆)、みーぽんこと米川美穂(木南晴夏)が集まって、シール交換に興じるシーンがある。

©写真AC

 小学生女子同士がシール交換をしている様は、傍から見ると微笑ましい光景かもしれない。しかし内実は、けっこうシビアである。シールをランク付けするとしたら、平面のシールは下、ぷっくり浮き上がったシールは中、タイル型やフェルト地のシールが上といったところだろうか。

 フェルト地のシールをもらったら、平面のシールで返すわけにはいかない。同じように、こちらがフェルトやタイルシールを引き渡したにも関わらず、譲り受けるのが平面シールだとしたら納得いかないだろう。シール交換は、幼いながらに等価交換の仕組みを学ぶ営みなのである。