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 栗山さんからは「引き受けていただいてありがとうございます」と言っていただいて、こちらも「本当に名誉なオファーをいただいてありがとうございます」ってお伝えして、しばらくはお互いに「ありがとうございます」と言い合っている感じで(笑)。

 でも、「ラーズさんが入ることで野球の幅が広がる、子どもたちにも、アメリカでプレーする日系の選手が代表に入れるんだと、そういうことを広める第一歩に、歴史の1ページを開くことになるので、やってもらえて嬉しい」とも言ってもらって。ラーズも「チームに貢献できるように頑張ります。絶対勝ちましょう」と言っていました。

代表内定のミーティングで被っていた“思い出の帽子”

 実はこのミーティングに、ラーズはある帽子を被って参加していました。ラーズが9歳になる2006年に、斎藤(佑樹)君や田中(将大)君たちが高校日本代表としてアメリカに来た時にもらった、代表チームの帽子です。

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代表メンバーのサインを一人ひとり声をかけて集めた。/久美子さん提供写真

 当時、代表選手の一部の子をホストファミリーとして預かったんですが、チームのみんなとラーズはいつも一緒にいて、本当にかわいがってもらったんです。どういう経緯だったかは覚えてないんですが、親善試合では日本チーム側のバットボーイを務めて、試合後のストレッチではみんなの輪の中に入って、片言の日本語で話したりして、楽しそうにしていましたね。その時に自分で1人ひとり声をかけて、帽子の裏にみんなのサインをもらったんです。滞在は1週間から10日ぐらいだったんじゃないかと思うんですけれど、みんなが帰るときにはもう泣いて泣いて。

2006年、高校日本代表の斎藤佑樹/久美子さん提供写真
2006年、高校日本代表の田中将大/久美子さん提供写真

 その直後だったんですが、リトルリーグでオールスターチームに選ばれて、選手紹介のビデオを録るときに、「I'm representing my country Japan(僕は日本代表だ)」って言ったりもしていましたね(笑)。その時には、高校日本代表の子たちが当時やっていたみたいに、帽子のつばを真ん中で折って被っていて。それがかっこいいと思っていたみたいで、ずっと彼らの真似をしていました。

2006年、高校日本代表の選手たちと/久美子さん提供写真

 そういえば、この2006年には、栗山さんもキャスターとしてアメリカに来ていて、高校日本代表チームを取材していたそうですね。「僕もラーズさんの写真持ってるんです」とおっしゃっていて。当時、栗山さんとラーズが間近で会ってたかもしれないと思うと、こうして選んでいただいたのが不思議な縁だなと、驚きながらも喜んでいます。