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 ピュー・リサーチ・センター(Pew research center)が2021年11月18日に公開した「人生に意味を与えてくれるのはなにか(What makes life meaningful)」というレポートがあります。

 経済的に発展したとされる17カ国で、職業や経歴(による成就など)、家族と子供、物質的な豊かさ、友人やコミュニティー、体と精神の健康、地位(general position)、自由と独立、趣味(ホビーやレクリエーションなど)、社会(制度、各種インフラなど)、サービスとエンゲージメント、教育、自然や野外活動、魅力的なパートナー、旅行や新しい経験、引退(老後など)、宗教や信仰、ペットのなかで、人生に意味を与えてくれるものはなにか、を選んでもらった結果です。複数選択も可能です。伝統的な項目もありますが、「ペット」「ホビー」など、時代の流れが感じられる項目もあります。

 その調査結果、圧倒的に「家族と子供」が各国で1位に選ばれました。特に日本の場合、複数選択できるのに、多くの人が「家族と子供」一択で答えています。この項目には、家族と過ごす充足感はもちろん、もっと良い社会を子供に与えたい熱望なども含まれます。17カ国のうち、14カ国で1位となりました。

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©AFLO

他の国では職業的成就は重要だと思っていない

 他の項目が1位だった国はスペイン(健康)、台湾(社会)、韓国(物質的な豊かさ)だけです。「健康」こそが、全ての項目に関わる核心だと見ることができるでしょう。また、台湾の場合は、「安全や政治的自由などを享受できる理由」を社会から求める人が多いからでしょう。ただ、韓国だけ、物質的な豊かさが1位になっています。2位は健康、3位が家族と子供でした。しかし、同時に、他の国では「家族と子供(38%)」の次に多く選ばれた職業的成就(25%)が、韓国では6%に過ぎませんでした。すなわち、物質的な豊かさは重要だけど、職業的成就についてはこれといって重要だと思っていない、という意味です。

 それに、韓国もまた、1択だけ(複数選択せずに「物質的な豊かさ」だけを選ぶ人)が多く、これは日本(家族と子供)と韓国(物質的な豊かさ)だけで見られる現象だと、レポートは紹介しています。答えを1つだけ選んだ人は、他の国にもいます。ただ、その平均は34%。なぜか韓国(62%)と日本(59%)だけ、高くなっています。もちろん、1つしか選べないと勘違いした可能性もないとは言えませんが、基本的には、「これがあれば十分で、もう他のものは必要ない」という意識の現れであると、私は見ています。