最近、1人あたりのGDP(国内総生産)で日本を超えるとか、事実上の8大強国になったという意味で「G8」と自称したり、いろいろと自慢する事が増えた韓国。しかし実は、1997年の経済破綻を経て、2000年代になってからの韓国の経済発展は、民間の「債務」、借金による成長だった。この借金の背景には、反日思想とも通じている、「序列意識」「恨(ハン)」、そして「私以外の誰かが悪い」とする特有の感覚が存在している。

 ここでは、韓国人の著作家・シンシアリー氏の著書『韓国の借金経済』(扶桑社新書)より一部を抜粋してお届けする。(全2回の2回目/1回目から続く)

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韓国の出生率は0.75人で歴代最低値を記録

 2022年、「2021年基準で合計出生率が0.81人になった」というニュースが流れるようになりました。新型コロナなどの影響ももちろんあったでしょうけど、それでも、この数値に多くの専門家が唖然(あぜん)としました。死守すべきラインも、1から0.8に下がりました。余談ですが、ある程度の人口(韓国約5000万人)をもつ国として、出生率が1を切るのは、研究対象としか言いようがありません。

 それから、新型コロナの影響もある程度は収まった2022年。1~9月期の合計出生率は0.86。少しマシになったものの、4~6月に0.75で、分期別で歴代最低値を記録。11月に7~9月のデータが発表されましたが、0.79人でした。去年同期比で0.03人減少した数値です。

©AFLO

日本は1.3人で決して安心できるレベルではない

 各メディアは、2022年に0.8ラインを下回る可能性が高くなったとし、新型コロナの影響だと決めつけることももうできないと、一斉に記事を載せました。首都であるソウルの場合は特に低く、7~9月基準で0.59人。2020年に0.64人になって、こちらもいろいろと騒がしかった記憶がありますが、さすがにスピードが速すぎます。ちなみに、日本も本件では決して安心できるレベルではありませんが、厚生労働省ホームページのデータによると、2021年基準で1.3人、東京は2020年基準で1.12人でした。