最近、1人あたりのGDP(国内総生産)で日本を超えるとか、事実上の8大強国になったという意味で「G8」と自称したり、いろいろと自慢する事が増えた韓国。しかし実は、1997年の経済破綻を経て、2000年代になってからの韓国の経済発展は、民間の「債務」、借金による成長だった。この借金の背景には、反日思想とも通じている、「序列意識」「恨(ハン)」、そして「私以外の誰かが悪い」とする特有の感覚が存在している。
ここでは、韓国人の著作家・シンシアリー氏の著書『韓国の借金経済』(扶桑社新書)より一部を抜粋してお届けする。(全2回の1回目/2回目に続く)
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格差問題の象徴 ―「スジョ(匙、スプーン)階級論」
韓国人は「目に見えるもの」によるランク付けが好きです。小学生たちが着ている服などの値段でクラスの階級を決めるというニュースはもう10年前からありましたし、背の高さも、TOEIC点数も、日本製ランドセル(高いやつ)も、その1つだったりします。親にものすごい負担になるという意味で、人気のある高い製品を「(親の)背骨ブレイカー」とも言います。
でも、服ならまだいいかもしれません。社会的に絶望のシンボルみたいになった、「スプーン階級論」というのがあります。詳しくいつから始まったかは分かりません。盧武鉉(ノムヒョン)政権のときからあったという話も聞きますし、特に格差問題が話題になった李明博(イミョンバク)政権のときから始まったという話もありますが、「スジョ(匙、スプーン)階級論」というものが有名になりました。
大手メディアも説明なしに使うほど、社会的に「大ヒット」した単語
いまでは多くのバリエーションがあり、階級がさらに分化されていますが、韓国語WIKIページの情報によると、最初のものは「資産20億ウォン以上、年収2億ウォン以上」を金のスプーン、「資産5億ウォン以上、年収5500万ウォン以上」を銀のスプーン、「資産5千万ウォン以下、年収5500万ウォン以下」を土のスプーンとする、単純なものでした。それによって社会においての階級が決まる、と。
この階級論は、ネットだけでなく、大手メディアも記事になんの説明なしにそのままこの単語を使うほど、社会的に「大ヒット」となりました。日本の韓国関連情報サイトでも、結構有名な単語になっています。