イトーヨーカドー、セブン・イレブン、デニーズなどを傘下におさめるセブン&アイ・ホールディングスの創業者で現・名誉会長の伊藤雅俊氏が3月10日に死去していたことが「週刊文春」の取材でわかった。98歳だった。
伊藤氏は1924年、東京生まれ。1958年に現在の「イトーヨーカ堂」の前身となるヨーカ堂を創業。1973年に米国のレストラン大手・デニーズと技術援助契約を結んでデニーズジャパン、米国のコンビニエンスストア・セブン-イレブンとライセンス契約を結んでヨークセブン(現・セブン-イレブン・ジャパン)を立て続けに設立した。
日本チェーンストア協会会長を務めるなど、日本の流通業界をけん引。2005年にはセブン&アイ・ホールディングス名誉会長に就任した。
「一大グループを作り上げた伊藤氏の経営哲学にはファンも多く、著書も数多く出版されています。かつて米フォーブス誌の富豪ランキングで日本の上位10位に入ったこともある超のつく大金持ちですが、私生活は意外にも質素で知られる。服装や食べ物、車には無頓着。東京・港区にある自宅の周りを1人で散歩している様子が近隣の住民にたびたび目撃されていました」(経済誌記者)
90歳を超えても経営への関与には積極的であり続けた。