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湯の交換や消毒を記録する管理簿を改ざん
「大丸別荘には2つの大浴場があり、湯の一部は循環ろ過して再利用していた。公衆浴場法などに基づく県の施行条例では、週1回以上は湯を完全に入れ替え、消毒用の塩素系薬剤を投入して一定濃度に保たねばならない。旅館側は当初、保健所の調査に対し、湯の交換や塩素注入は適正だったと説明した」(前出・記者)
しかし、昨年11月に県保健所が再検査したところ、大浴場の浴槽から基準値を大幅に上回るレジオネラ属菌が検出されたのだ。
前出の担当者が振り返る。
「大浴場にはお湯が滞留する場所があり、特に『立ち湯』の浴槽は淀んでいて流れが悪かった。それで念のために抜き打ちで再検査をしたところ、基準値の3700倍ものレジオネラ属菌が検出されたのです。これは想定外でしたね」
さらに旅館側は、湯の入れ替えは年2回の休館日だけで、消毒も不十分だったと認め、湯の交換や消毒を記録する管理簿も改ざんしていたと明かしたのだ。
「16時に戻るので対応します」との伝言があったが…
県は19年以降、違反状態が続いていたと見て、昨年12月に再び改善を指導。
「一度指導したのに改善されず、虚偽の報告までしていた。これは悪質としか言えません」(同前)
2月27日、社長に話を聞こうと大丸別荘を訪問。すると「16時に戻るので対応します」と伝言があり、指定された時間に旅館の応接室へ通された。しかし、30分過ぎても社長は現れず。従業員から丁重な謝罪を受け、一旦旅館を出た。
その2時間後、社長から突然、記者に着信。
「いや怖い怖い。週刊誌は怖いから面会は勘弁して!」
と告げられ、電話でそのまま話を聞いた。