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松村 後日、ジモンさんから「バカ野郎、ちゃんと起こせ」って怒られるまでがセットなんです(笑)。肥後さんは「気にするな」というスタンスで、「(むしろ)ウケたよ」なんて言ってくれて。

――上島さん本人は?

松村 怒りませんでしたね。というか、それに限らず、怒った姿を一度も見たことがありません。ただ、しょっちゅう僕に対してブツブツ文句は言っていましたよ。僕の部屋が散らかしっぱなしだと、「人が泊まりに来てるのに、掃除くらいしとけよ」とか(笑)。

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「どこからがネタなのかわからない」凄み

松村 当時、僕も竜さんもとにかくお金がなくて、イベント前に「衣装がないから、服を貸してくれ」なんて言われたこともありました。

 イベントが無事終わって「クリーニングして返すから」と言ったくせに、返してくれる気配がまったくない。しかも、さも自分の普段着のように着だしたから、僕も業を煮やして「竜さん、これ俺のじゃないですかね?」と言ってみたけど、「いや、お前のじゃないよ」と言われるばかり。結局、あとで気づいてくれたようで、「悪かったな」と言いながら5000円で買い取ってくれました。もともとその服は5000円以上したし、僕もお金がない頃で結構ショックだったんですけどね(笑)……でも、なんだかんだ憎めない人なんですよねぇ。

――「リアクション芸人」の地位を確立した人でもありました。

松村 たしかにリアクション芸のイメージが強いんですけど、もともとは青年座の俳優さん。僕がデビューした頃は、骨太のコントをやっていて、すごく面白かった。ほとんど毎日稽古場にいて、コントだけじゃなく瞬間芸のネタも、もう何百本も作っていましたね。強烈でした。

――ストイックな一面が。

松村 リアクションから何から、ネタの作り込みがすごいんです。一見、適当なことを言っているんですけど、どこからどこまでがネタなのかわからない。楽屋ではだらしがなくて、牛丼を食べてはグーグー寝るといったイメージ。でも、本番になるとパッと目が変わる。その切り替えは、ただただすごいなと思っていました。