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 というのも、韓国球界で2013年から昨年まで最多勝に輝くのは外国人投手ばかり。9球団すべてが2名以上の外国人投手を抱えており、彼らをローテーションの軸にしながら回している。昨季の防御率トップ10のうち、実に7名が外国人投手でもあった。

 つまり、エース級の韓国人投手が少なく、球団側も育てようとはしない。昨季の防御率1位で奪三振王でもあるアン・ウジンのような本格右腕も頭角を現しているが、そのアンも前出の“学校暴力”でいじめ加害者として告発された過去があったことから、世論の反発を恐れたKBOは今回の代表メンバーには選ばなかった。

かつては豪快なホームラン打者が韓国野球の強さの源泉でもあったが…

 また、打線でも大砲が育っていない。韓国野球といえば金泰均(元千葉ロッテ)、李大浩(元福岡ソフトバンク)など豪快なパワーヒッターが有名だが、2012年以降、韓国人で本塁打王になったのは36歳の朴炳鎬(2012年~2015年、2019年、2022年)と同じく36歳の崔廷(2016年~2017年、2021年)しかいない。今回のWBCでダルビッシュ有から本塁打を放った梁義智も35歳。20代の大砲が育っていないのだ。

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日韓戦でダルビッシュから先制ホームランを放った梁義智 ©佐貫直哉/文藝春秋

 その原因のひとつとされているのが、高校野球で2005年から採用されている金属バット使用禁止令。国際野球連盟のルールに沿って韓国の高校野球でも木製バットが義務付けられたが、金属バットよりも重くスイートスポットが狭いため、フルスイングする選手が少なくなり、ボールコンタクトばかりを気にするようになった。投手も一発への警戒が必要なくなるので制球が甘くなる。

 そんな悪循環もあって、李承燁(元巨人)などかつての大打者たちが“高校年代での木製バット使用を見直すべき”と主張しているが、投手不足や大砲不在だけが韓国野球の問題点ではないだろう。高校野球部の数が80校弱に過ぎず、少子化と熾烈化する受験戦争などで野球人口が年々尻すぼみしていることなど、問題は山積みなのだ。

「(今回のWBCの結果は)悔しくて忸怩たる思いだ。ただ、すべての責任が選手たちにあるのではない。私を含めすべての野球人たちの敗北として受け止めなければならない。失敗が続いているのだから変化しなければならないだろう」

 かつてWBCでも活躍し“国民的打者”と呼ばれ、今季から斗山ベアーズで監督人生をスタートさせる李承燁も悲痛の表情でそう語る。

 韓国プロ野球は4月1日から開幕するが、ファンや国民たちはどんな反応を示すだろうか。球界関係者たちが悪夢にうなされる日はもうしばらく続きそうだ。

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