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シティグループ証券“解雇裁判”で元従業員が主張していた「税務処理上の深刻な問題」

シティグループ証券“解雇裁判”で元従業員が主張していた「税務処理上の深刻な問題」

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 米国4大銀行の一つであるシティグループ。その日本法人シティグループ・ジャパンHDの傘下にあるのがシティグループ証券(以下、シティ)だ。

 そんなシティを元従業員X氏が提訴したのは2020年2月のこと。この裁判の過程で、X氏がシティの〈税法違反の可能性〉を証言したのである。

 X氏が解雇されるまでの経緯は次の通りだ。

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「X氏は新卒でシティバンク東京に入社。22年間にわたって勤務した後、転職し、2019年8月にシティグループ証券に入社。10年ぶりに復帰していました」(シティ関係者)

米ニューヨークにあるシティのオフィス

“解雇裁判”の過程でX氏がシティの税法違反を証言

 ところがX氏は入社直後の2019年10月末、同年12月31日限りでシティを解雇される旨を通達される。X氏はこれが〈合理的な理由を欠き、違法無効である〉として、2020年2月に復職と慰謝料を求めてシティを提訴したのだった。

 これに対してシティ側は〈解雇は社会的に相当〉と主張。

「X氏が〈会社に混乱を生じさせ同僚や上司に不適切な態度をとったこと〉などを挙げて〈コミュニケーションの問題〉があったと指摘。また、解雇通告したのは試用期間であり、その満了をもっての解雇には客観的に合理的な理由があると反論し、争ってきました」(同前)

 2022年5月、東京地裁は〈本件解雇は有効と認められる〉とX氏の訴えを棄却。すぐにX氏は控訴した。

 X氏による〈税法違反〉証言は、こうした一連の裁判の過程で飛び出した。海外投資関係者が明かす。

「この裁判の中で、X氏がシティを解雇される前に、社内において同社の〈税法違反〉の可能性を強く主張していたと陳述したのです」