シティ側の主張〈「税法違反」はない〉
だが、シティは複数の投資家や証券が“混在”する「オムニバス口座」において「各人別」で税務処理をしておらず、支払調書を〈グローバルカストディアンつまり海外金融機関名義で作成していた〉とX氏は指摘。最終投資家を記載すべきなのに、それをやっておらず、〈所得税法に違反する蓋然性が極めて高い〉と主張したのだった。
こうした指摘に対し、シティ側は〈「税法違反」はない〉と真っ向から反発。X氏の主張に反論した上で、こう述べている。
〈控訴人(X氏)は、こうした経緯を知らず、あるいは、知ろうともせず、ただ「税法に違反している」と言い続けていたのであって、こうした言動が解雇の合理的理由となることは明らかである〉
ところが、2023年1月に両者は和解する。〈本件和解の存在と内容を第三者に開示しない〉などの条件とともに、シティがX氏に解決金100万円を支払う形で裁判は終了した。
X氏との裁判の内容や、X氏が主張する〈税法違反の可能性〉についてシティに問い合わせたところ、こう回答した。
「問い合わせのあった経緯等について、第三者に開示しないこととなっていますので、ご質問にはお答えしかねます。なおご指摘の点を含めまして、当社は関係法令に従って業務を行っています」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、シティがX氏を解雇した経緯、X氏が裁判で主張したシティが税法違反となる“3つの理由”、それに対するシティ側の反論、X氏の指摘に対する裁判所の判断などを、裁判資料をもとに詳しく報じている。
文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。