「俺のせいじゃない。機械が悪い」とキレる高齢者
こうしたセルフレジの迷惑客のなかでも、店員たちがもっとも困っているのはクレーマーに近い高齢者たちだという。
東京北部のスーパーで働く太田涼さん(仮名、33歳)は「店員に当たり散らすお年寄りに困ってます」と話す。
「うちの店のセルフレジは現金でお会計ができないんですよ。ところが、あるとき70代半ばのおじいちゃんが現金不可とわかったとたんに激高し始めて……。『並んで順番を待ったのに、現金が使えないってどういうことだ!』とすごい剣幕なんです。
そこで仕方なく謝り、『申しわけございません。あちらのレジをお使いください』と有人レジを案内したんですが、おじいちゃんは『ふざけるな! もう一度並べというのか!』と怒りが収まらない。たぶん10分以上は怒り続けていたと思います」
さらに、「自分の操作ミスをセルフレジのせいにして怒るヤバいおじいちゃんもいます」と言うのは神奈川県のスーパーでレジを担当している江藤麻理恵さん(仮名、35歳)だ。
「呼び出しのライトが点灯したのでそのおじいちゃんのところに行くと、エラーが出ていたんです。それで『どうしましたか?』と声をかけたんですが、おじいちゃんは理由を説明せず、怒り狂って『俺のせいじゃない。機械が悪い!』の一点張り。
どうやら支払い方法の選択を間違えていたようなので、そう伝えたんですね。でも、おじいちゃんは『俺はちゃんと操作していた!』『こんな機械を入れた店の責任だ』と言い張るばかりで話が噛み合わない。結局、5分以上も怒鳴られ続けました」
セルフレジはスーパーの人手不足の解消につながり、利用している側から見てもデメリットは感じられないのだが、もしかすると店側にとっていいことばかりでもないのかもしれない。