「死んで生命保険で払うか、今払うか決めろ」

 昨年6月2日、広島県海田町で竹内義博さん(71)を監禁し、16時間に及ぶ暴行を加え死亡させたとして、監禁罪、死体遺棄罪、強盗致死罪の疑いで逮捕・起訴された今泉俊太容疑者(32)。冒頭のように恫喝しただけでは済まず、一線を越えてしまったわけだが、詐欺被害者の味方として代わりにお金を取り返していた“回収屋”は、なぜ人を殺めるほどの凶悪犯になってしまったのか――。(#3/前回を読む

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 今泉容疑者と地元が同じで交流のあった30代の知人男性Aさんは、かつての今泉容疑者について「ただの茨城のヤンキーでしたよ」と話す。

今泉容疑者

「友人を介して知り合ったのですが、愛想のいいやつでした。バイクや車で暴走行為を繰り返しているどこにでもいるヤンキー。10代の頃から配管工とか運送業で働いていて、デリヘルやキャバクラのキャッチとかボーイもやっていましたね。知り合いは多く、上下関係もしっかりしていました」

今泉容疑者のFacebook

闇バイトに手を染めて“運び”を始める

 そんななか、2016年頃から筋の悪い先輩と付き合い始めだすと、次第に今泉容疑者の素行が変わっていったという。

「とにかく先輩にはヘコヘコしていて、強い人に付いて回る金魚のフンでしたね。仕事の紹介料で稼ぎ出してから、あいつの周りには“いかにも”みたいな連中が増えて、闇バイトに手を染めて“運び”をやり始めたそうです。頼まれたらなんでもやるバカだったので、先輩に勧められたんでしょう」(Aさん)

今泉容疑者

 今泉容疑者は「金回りが良い」と嘯いては闇バイトを続け、元々の“見栄っ張り性分”に拍車がかかったという。Aさんが続ける。