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「3億じゃたんねんだよ、このヤロウ」

 そんな今泉容疑者は、SNS上で回収屋を名乗るアカウントが複数あるなかで、「玩具屋」という名前を使用していた。それ以外にも「一等兵」と名乗るアカウントに姿を現している。

「一等兵」の自己紹介文には《東海地方の詐欺案件。DMまで》と書かれ、「結局3億で命乞いか。日本一電圧の強いスタンガンを用意したんだ。多少は歯ごたえくれよ。あと2億用意したら返してやるから泣くのはやめてくれ。(原文ママ)」といった文言と共に「3億じゃたんねんだよ、このヤロウ」とスタンガンで脅す動画が投稿されている(削除済み)。

「一等兵」のアカウント

 今泉容疑者の豹変ぶりをAさんが振り返る。

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「2021年にも今泉が茨城に顔を出しに来たことがありました。そのとき、今泉が話していたのは、東京で詐欺師からお金を取り返そうとして、別の回収屋とバッティングしたことがあったそうです。その回収屋は、今泉が取りきれなかった相手に対し、行き過ぎた暴力や脅迫で見事回収したそうなんです。今泉は『そこから着想を受けて、視野が広がった』と語り、自らも狂暴化していきました」

 今泉容疑者はこの回収屋のことを先輩と呼んでいたが、Aさんは「憧れの先輩に従って、ついには人を殺してしまってはどうしようもないですよね」と肩を落とした。

今泉容疑者

 一方、東京での今泉容疑者の振る舞いはどうだったのか。サウナで度々顔を合わせる間柄だったという男性はこう語る。

「いつも4~5人で来てて、その中で一番寡黙な印象でした。10分くらいで『ちょっともう……』といって最初に出て行くのが彼でしたね。他の人とは平等といった感じではなく、『アレ取って来て』とか、『あいつにやらせとけばいいんだよ』と言われていて、使いっパシリのようでした」

全身にタトゥ―を入れた今泉容疑者

 そんな今泉容疑者は、昨年5月30日にお金を回収した男性に「明日広島なんだよね」と発言している。そしてその3日後、“遺体なき強盗致死事件”が起きてしまったのだ。憧れの先輩像を追求し続けた結果が、凶悪な回収屋を生んでしまったのだろうか。

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