「明らかに身につけるものが高価になっていきました。ロレックスを着けてベンツに乗る姿をSNSにアップして、『すげー!』とか褒められると、『見た目だけです(笑)』と謙遜していました。次第に刺青も増えていって、2016年には身体中、墨で埋まっていったんです。『黒いですね』と女性から突っ込まれると、『腹は真っ白です!』とおどけてましたよ」
そして2017年頃、今泉容疑者が茨城から姿を消す。SNSでは相変わらずブランド品を身につけ、何度も東京や海外に出向いている様子がアップされていたが、どこで何をしているのか長らく足取りがつかめなかったという。その後、今泉は2019年に“回収屋”として茨城に戻ってきた。
「何をしていたんだと問い質すと『実は……』と話し始めて、東海地方で詐欺師からお金を取り返していたって言うんです。わけがわからず、どうせ危ない仕事なんだろうと思ったので深くは聞きませんでしたが、ガタイのいい男性と言い争っている8分間の動画を見せてきました。ただ当時は、昔の今泉からは想像できない荒い口調だったものの、言い争うだけで、何も人殺しをするような感じには見えませんでした」(Aさん)
スタンガン、チェンソー、ガスバーナーを使って恐怖の“追い込み”
動画内での男性は「撮るのやめて」「(返すのは)無理だよ」と平然としており、今泉容疑者に対して恐れている様子は感じられなかったという。今泉容疑者の見た目はガリガリで弱そうなイメージがあったといい、いくら口調が強くても威圧感を与えることはできなかったようだ。
しかし、次第にエスカレートしていったのだろう。取材班が入手した動画には、凶悪な今泉容疑者が映し出されていた。ブルーシートの上で手錠をつけられ血だらけになっている男性に黒ずきんを被せて、耳元でスタンガンの音を鳴らしながら、「早く用意しろよ、オラ!」と怒号を飛ばしたり、小さな部屋で逃げ惑う男性にチェンソーのエンジンを吹かしながら振り回している姿が確認できる。
さらには、男性の両手両足をガムテープで拘束し、顔面にガスバーナーを当てる今泉容疑者と響き渡る悲鳴が記録された場面もある。