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 何故かと言うと、シーズンは正直負けてもいいんですよ。140試合で“70勝プラスアルファ”勝てば優勝ラインなんですから。けど国際試合は負けたら終わり、もしくは厳しい状況になるのでプロ野球選手はあまり慣れていないし、すごいプレッシャーが掛かるんですよ」

「自分が打っても負けたら0点。自分が打てなくても勝てば100点」

 そして佐藤氏は断言するのだ。

「国際試合では自分が打てなくてもチームが勝てば100点、自分が打ったとしても負ければ0点なんです」

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 だから村上は心配することはないんだ、と。

「チームは勝っているのですから、その勢いに徐々に乗って行くことが大事。それに栗山英樹監督は『四番は村上で行く』と断言してはじまったわけですし、ここは腹を括って堂々としていればいい。

 だからチームのためにも『村上宗隆』を演じていて欲しいんですよ。短期決戦だし、早く状態を上げなくちゃって焦るのはわかるのですが、“村神様”らしくいてくれれば問題ないと思うんですけどね」

村上たちの前に現れた“あまりに巨大すぎる存在”

 そう言うと、佐藤氏は苦笑を浮かべつづけた。

「ただ、大谷翔平の存在も僕は大きいと思うんですよ。自分が敵わないような化け物を目の当たりにしちゃったわけですし、プライドというか、“よし俺も!”ってメンタル的に揺れてしまい力みが出てしまっているのかもしれない。

 山川穂高が大谷を見て『野球を辞めたくなった』と冗談交じりに語っていましたけど、村上にとっても大谷の衝撃は大きかったと思いますね」

 規格外の大谷の存在は、敵味方関係なく、良くも悪くも劇薬なのだろう。

チームを鼓舞する大谷翔平選手 ©佐貫直哉/文藝春秋

「接戦を経験していない」日本代表の“不安要素”

 普段だったらあり得ないことが起こるのが国際試合だと佐藤氏は先に言っていたが、果たして日本が今後勝ち進むためにはどうしたらいいと考えているのだろうか。