「イタリアは侮れないと思いますよ。もしメジャー最高の選手である大谷翔平から先制点を挙げようものなら、ラテンの乗りで勢いがついちゃってイタリアムードになる可能性があります。世界一を目指す日本と、目の前の1試合を全力で楽しもうとするイタリア。メンタル的にも向こうの方が上だと思いますね」

 元プロ野球選手で、2012年にイタリアリーグ『フォルティチュード・ボローニャ1953』でプレーをした経験のあるG.G.佐藤氏は警戒心を漂わせそう言った。

2021年、始球式をつとめるG.G.佐藤氏 ©時事通信社

世界ランキング“プール最下位”のイタリアはなぜ勝ち上がれたのか

 混戦模様だったプールAを2位で勝ち上がってきたイタリアだが、その実力をどのように見ているのだろうか。

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「正直言って僕は上がってこないと思っていたんですよ(笑)。けど世界ランキング16位のイタリアが、8位のキューバ、7位のオランダを撃破した。とくに強豪のキューバ戦はタイブレークに持ち込まれても勝ち越したので、勝負強さはあると思いますね。

 あとメンバーを見ると、ほとんどが現役メジャーリーガーか元メジャーリーガー、それにマイナーリーグの選手たちなので、実力はそれなりにあると思います」

野茂英雄&新庄剛志と同僚だったピアザ監督、大谷と同僚のフレッチャー…イタリア代表が“知っている”こと

 イタリアの監督を務めるのは、ドジャース時代に野茂英雄、メッツ時代は新庄剛志と同僚の名捕手だったマイク・ピアザである。

©文藝春秋

「ピアザ監督は日本人選手やスタイルに対して理解があるでしょうし、あとエンゼルスで大谷と同僚のデビッド・フレッチャーがいますから、大谷の投打の研究はされていると思うんです。そのへんに怖さを感じますね」

 勝負は蓋を開けるまでわからない。絶対がないのがスポーツの世界なだけに、もしかしたら日本は思わぬピンチに立たされるかもしれない。