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 まだまだ発展途上であるが、イタリア国内での野球の認知度や人気を更に押し上げたいと尽力しているのが、今回WBCに参加しているイタリア系アメリカ人の選手たちだと佐藤氏は考えている。

「今回のメンバーにイタリアリーグでプレーしている選手は数名しかいませんが、多くを占めるイタリア系アメリカ人の選手がなぜ頑張っているかというと、それは日系人のヌートバーと同じ気持ちだと思うんです。

©文藝春秋/佐貫直哉

 自分のルーツである国への敬意と誇りを胸に戦っている。祖国の野球人気を押し上げたい、野球で祖国に恩返しをしたい、と彼らは言っていますからね。そういう意味では、世界一奪還だけを考えている日本とはモチベーションやスタンスが違うんです」

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イタリア相手に“絶対にしてはいけないこと”

 だからこそイタリアは決して侮れない。

「正直、彼らは世界一なんて目指してないと思うんです。野球の面白さをイタリアに伝えるため、楽しんでプレーするはずですし、お祭り男たちなので満員の東京ドームをホームだと思って戦うでしょうね(笑)。

 だからとにかく勢いに乗らせないこと。日本はまず先制点を取って、自分たちのリズムで試合を進めていくことが肝心になると思いますね」

 準々決勝のイタリア戦から負けたら終わりの一発勝負。チーム力はもちろん人間力も試されるシビアなゲーム、太陽のように熱いハートを持つイタリアに対し、日本はどのように戦うのかプレイボールを楽しみに待ちたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。