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10代にとっての「わずか3週間の出来事」の意味…アンジェリーナ1/3が見た『ガール・ピクチャー』が描いたもの

10代にとっての「わずか3週間の出来事」の意味…アンジェリーナ1/3が見た『ガール・ピクチャー』が描いたもの

『ガール・ピクチャー』レビュー

note

映画を彩る名曲たち

アンジェリーナ1/3さん

 この映画、選曲がとにかくセンスがいいです。今このタイミング、この感情だったらこんな曲聴きたくなるよ、こういうメロ聴きたいなっていうのが、流れてくる。

 たとえばエマちゃんがランニングするシーン。台詞がなく走ってるだけの長いシーンに音楽が乗って、心の動きがすごく感じられる瞬間になっています。

 10代の言葉にならない思いみたいなものを、音楽と一緒に届けてくれていたから、観る人たちはいろんな感情を重ね合わせられる。そういう瞬間を大切にしているのも、『ガール・ピクチャー』の素敵な部分だなって思いました。

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◆◆◆

あんじぇりーなさんぶんのいち 2001年生まれ。高校生の時にガールズバンドGacharic Spinに加入。担当はマイクパフォーマー。ラジオ、テレビでも活躍中。

『ガール・ピクチャー』INTRODUCTION フィンランドから届いた瑞々しい青春映画。17歳から18歳にさしかかる3人の少女、ミンミとロンコとエマ。3度の金曜日で、ミンミとエマはお互いの人生を揺るがすような運命の恋をし、ロンコは未知の性的快感を求め冒険する――。本作は誰しもが覚えがあるティーンエイジャーの悩み――性、人間関係、未来への不安をまっすぐに描き、21世紀の今を生きる若者の姿をリアルに映し出した。第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、第95回アカデミー賞国際長編映画賞部門のフィンランド代表に選出された。

『ガール・ピクチャー』STORY

【最初の金曜日】クールでシニカルなミンミと、素直でキュートなロンコは、タイプは違ってもお互いを支え合う親友。理想の相手との出会いを求めてパーティーへと繰り出したロンコに付き添ったミンミは、フィギュアスケーターのエマと出会い恋に落ちる。

【2度目の金曜日】ミンミと恋人同士となったエマは、スケートがスランプ状態。練習にも遅刻してしまう。母親が再婚して新たな家庭をつくっているミンミは、自分の居場所がないと感じていた。一方、ロンコは女好きのイケメンとベッドインに成功したのだが……。

【3度目の金曜日】そして3度目の金曜日。彼女たちを待っていたものとは?

『ガール・ピクチャー』STAFF & CAST

監督:アッリ・ハーパサロ/出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ/2022年/フィンランド/配給:アンプラグド/© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved

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