文春オンライン
10代にとっての「わずか3週間の出来事」の意味…アンジェリーナ1/3が見た『ガール・ピクチャー』が描いたもの

10代にとっての「わずか3週間の出来事」の意味…アンジェリーナ1/3が見た『ガール・ピクチャー』が描いたもの

『ガール・ピクチャー』レビュー

 私も物心ついた時からずっと芸能関係のお仕事をやりたいと思っていて、それ以外の道を夢としても持ったことがなかったんです。

 エマちゃんは、ジャンプが跳べなくなった時、スケートをやめれば自分になんの価値があるのかってすごく悩んだと思う。

 私はまだまだ駆け出しなので偉そうなことは言えないんですけど、もし夢と違う道に進むことになったら、同じように自分には何が残ってるんだろうってすごく考えるんじゃないかな。

ADVERTISEMENT

 夢ひとすじだったエマちゃんがミンミちゃんに出会って、恋を知る。で、そこに逃げたくなるっていう気持ちも、すごく分かりますよね。自分が追い求めている夢というものに向き合うのが怖くなる瞬間が、すごくしっかり描かれています。

映画で描かれるのは「わずか3週間の出来事」だが…

(劇中より)© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved

 映画で描かれるのはわずか3週間の出来事なんですけど、その間で10代の3人は見違えるほどに大人になっていく。

 後半にミンミちゃんとロンコちゃんがケンカするシーンがあるじゃないですか。私も10代の時に親友と一回大ゲンカしたことがあって。

 大切な人だからこそ感情が高ぶった時に思ってもないことを言ってしまって、すごい傷つけてしまった。大人にもなれないけど子どものままでもいられないっていう年だからこそ、傷つけてしまうことってすごく多いんだなというのを、あらためて感じました。

 でも、そういう葛藤が10代にはすごく大事なのかなって俯瞰して思えたので、少しは大人になったのかもしれません(笑)。