今、日本で大谷翔平旋風が巻き起こっている。今月9日から始まったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に日本代表として出場している大谷翔平選手の活躍に日本中が注目しているのだ。

日本の国宝・大谷翔平選手 ©文藝春秋

「メジャーリーグで投手と打者を両立する“二刀流”を貫いている大谷選手は野球ファンの間では規格外の選手として知られていました。WBCの壮行試合で片膝をついた状態でホームランを打つというスーパープレイも話題になり、普段野球に興味のない人たちにも、一気に彼の凄さが伝わりました。プロ入り以来、破格の成績とプレーを残してきた大谷ですが、今回のWBCでほとんど生きる伝説になりそうです」(スポーツ紙記者)

一挙一動すべてが話題になる

 プレーだけではなく、ベンチで見せるアメリカナイズされたオーバーリアクションなどもSNSで格好の話題になっている。文字通り一挙一動が人々の話題をさらい、人気の高まりは場外ホームランのように軌道さえ追えない。

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吉田正尚(右)を迎える大谷翔平(左)とラーズ・ヌートバー。このアメリカンな振る舞い ©時事通信社

 今日、3月16日のイタリア戦では大谷選手が先発出場することが発表されている。試合会場の東京ドームに集まる野球ファンに取材をすると、それぞれ応援している選手の名前を上げつつも、必ず話題になるのが、大谷翔平選手なのだった――。

 WBC準決勝、日本対イタリアの試合が始まる3月16日の昼下がり、試合会場となる東京ドームには試合開始を待ちきれないファンが押しかけていた。多くの人が会場で販売されているグッズを目当てに、売り場に長蛇の列をなしているのだった。

 高校が春休みだという女性二人組もグッズ購入のために会場に来ていた。

高校2年生の2人組。グッズ購入のリベンジはなったか Ⓒ文藝春秋

「昨日もグッズ目当てに来たんですが、ほとんど売り切れてしまっていたんです。特に大谷選手のユニフォームとかはすぐに売り切れてしまって……。今日はそのリベンジで来ました。やっぱり大谷選手は性格が良いですよね。コロコロ表情が変わったり、ベンチでヌートバー選手に気を遣ったり、少年っぽい優しい表情も好きになってしまいます」

 浜松から来たという女性は大谷選手のタオルを広げて東京ドームの前で記念撮影をしていた。

「大谷選手は息子と同じくらいの年齢なんです。礼儀正しく人間性が優れていますし、いつもニコニコしているのも好感が持てます。浮いた噂は一切ありませんが、いい人と一緒になってくれればうれしいです。もう親の目線で見てしまいますね」

右が浜松からやってきた女性。その場で知り合った娘でもない中学生と意気投合。大谷の神通力おそるべし Ⓒ文藝春秋

 この女性と会場で知り合ったという野球ファンの中学生も大谷選手の“異次元”のプレイに舌を巻いているという。