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「日本を相手にするならどんな小さなミスもできない」

 マッツィエリ元監督と同時期にイタリア連盟で広報オフィサーを務めた敏腕ジャーナリスト、リッカルド・スキローリ記者も日本野球を仰ぎ見る一人だ。彼自身豊富なプレーヤー経験をもち、深い見識からイタリア球界への提言を続けている。

「17年の前回大会でイタリアは1次ラウンド敗退を喫した。選手たちは実力の100%以上を出したがライバル国には及ばなかった。つまり、我々のリーグ戦のあり方や選手の育成方法、インフラの使い方に限界があるということなんだ」

「我々の代表チームはロースコア・ゲームの試合運びに難があるという弱点がある。ベテランといわれる年齢なのに、何年もバントをしたことがない選手がいる。これらはすべて試合経験の少なさに起因している。我々もアメリカや日本のように、若手選手の積極起用を促すため秋・冬の育成リーグ創設を考えるべきだ」

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 スキローリ記者もマッツィエリ監督も「選手を成長させるのは、1000回の練習より本番の1試合」と言葉を揃えた。

 少年時代から徹底して試合数を重ねることで初めて得られる、ダイヤモンドの勝負勘。

 準々決勝の試合終了後、イタリア連盟は「我々はゲーム中盤まで食い下がったが、日本は焦らず実力通りイタリアを凌駕した」と記し、勝者を称えた。

©️時事通信社

 試合後のピアザ監督もまた潔かった。

「(日本を破るために)我々は完璧なプレーをする必要があったがそれは叶わず、投手陣の力も及ばなかった。日本を相手にするならどんな小さなミスもできない。今大会は我々にとって素晴らしい経験だった。マイアミで日本が素晴らしい結果を残せるよう幸運を祈る」

©時事通信社

 侍ジャパンはイタリアに勝つべくして勝ったのだ。

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