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 そんなWBCのテレビ視聴率は連日40%越え。日本では大成功である。大谷翔平を見ているだけで幸せという理由も大きいだろう。同時に過去最強とも言われる日本代表に浸れる時間がたまらないのかもしれない。

大谷とヌートバーは「現代版のON」

 ふと思った。昭和のお父さんたちが、ナイター中継で長嶋茂雄・王貞治(ONコンビ)のいる巨人戦を見ていた頃の雰囲気ってこんな感じだったのだろうかと。となると現在は大谷翔平がONの代わりを一人でやっているのだろうか。それともヌートバーと2人で現代版のONか。

©文藝春秋

 しかし高度成長期に絶対的なONを見て明日への活力としていたお父さんたちと比べて違うのは、現在は暗くて嫌なニュースばかりであることだ。国力も当時の上り坂に比べたら下り坂。そんなときに絶対的な大谷翔平に全乗りして強さや気持ちよさを味わえているのだとしたら、その差にしみじみしてしまう。

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 たとえば産経新聞の見出しは『日本には大谷がいる』(3月17日)。ああ、久しぶりに誇らしげだ。でも少し心配にもなる。かつて古舘伊知郎はアントニオ猪木の引退試合実況で「我々は今日をもって猪木から自立しなければならない」と叫んだ。それで言うならWBC後は「我々は大谷翔平から自立しなければならない」のだ。大谷ロス・WBCロスに備え、個を強くして生き、日常を自分で楽しめるようにしなければならない。読売には社説でそんなことも書いてほしい。

大谷翔平は新聞と相性が悪い?

 さて次に“大谷翔平と新聞”についておさらいしてみたい。