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病気や介護のことは心配しなくてもよい

 一方、女性というのは夫と死別しても同じ境遇の仲間もいるし、お茶のみ友だちもいるものだ。ところが、このコロナ禍にあっては女性の入会が増えている。どうやらステイホームを強いられ、人とつながる機会を失ってしまったようだ。

©AFLO

 死別者に限らず、私の周りのおひとりさまのなかには、「自分に介護が必要になったら」「認知症になったら」「孤立死したら」などという不安にかられている人が少なくない。しかし、研究者としてだけでなく、夫の突然死による混乱と悲嘆を経験した者としても、そんなに心配することはないですよと言いたい。

おひとりさまの終活を万全にするために

 まず、自分のこれからの人生で何がリスクなのか、何が不安なのかを具体的に把握する。そして、それらのリスク、不安に対処する制度やサービスが日本にはけっこうあるという現状を正確に知ってほしい。

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 その上で、(1)自立できなくなった後、自分はどうしたいのかという意思を明確にすること、(2)その意思を理解し、伝達してくれる人、あるいは確実に伝達される方法を見つけることさえやっておけば、おひとりさまの終活は万全だと思われる。

 では、これからの人生のリスクや不安について、考えておくべきこと、そして考えておかなくてもよいことを挙げていこう。

◆Point 01
“長い老後”をどう過ごす

 2021年に死亡した女性の4割強が90歳を超えていた。人生100年時代が到来し、長生きリスクという嫌な言葉もあるが、特に平均寿命が長い女性の場合、老後について心配する人は多いようだ。

考えるべきこと

●何をしたい?
 50代半ばになったら、リスキリング、ボランティア活動、経験やスキルを活かして起業する、趣味にまい進するなど、自分は何をしたいのか、65歳以降の自分のライフスタイルをイメージしておく。