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現役で東大に合格したが…

――東大には現役で入りました。

松岡 夏の大会が7月14日に終わって、1日休んでからですね。受験が2月27日で、ずっと勉強していました。東大受かんなくても、一浪すればいいやと思ってて、遊びとか、なんにもしてない。スマホいじるのも時間を決めていたし、風呂あがりにストレッチするくらいで、トレーニングもしなくて。

――半年間は、野球から離れていました。東大野球部って、他の六大学のチームと違って、推薦制度がありません。浪人している部員も多いですよね。勉強に集中しているときのディスアドバンテージがあるので、体力を取りもどすのに時間がかかります。向こうには春のリーグ戦で1年生から、すぐ使える選手もいますし……。

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松岡 いや、僕は違う考えなんですけど。

(撮影:藤田孝夫)

――違う考え?

松岡 たとえば、慶応の増居投手とか、あいつは彦根東で頭いいですけど、野球も高いレベルのまま、大学に入りました。1年の春から神宮のマウンドを踏んでいます。僕たち東大野球部は、もとのレベルが低いんで、そこにもどしたとしても、無理なんですよ。アホかっていう話で、もともと下手なんだから。レベルをさらにあげなきゃいけない。もどしてるっていう思想がおかしいんですよ。時間をかけて成長しろよって。

他の強豪校とは「人生の賭け方が違う」

――東大の選手たちは、高校時代に強豪校で野球やってたやつらに引け目を感じているってこともあるんじゃないですか。

松岡 ありますね。立教の山田健太って根尾(昂・中日)や藤原(恭大・ロッテ)と同期なんですけど、大阪桐蔭ってスマホを取り上げられるんですよね。クソみたいな寮生活で、朝から晩まで練習して、自宅に帰れるのも、年末年始の3日間だけ。

――部員数も限られていますよね。

松岡 僕は家に帰って、母親に洗濯してもらって、メシつくってもらって、スマホもいじれて、友だちと会えて……。人生の賭け方が違うじゃないですか。めちゃくちゃ甘えている。野球やっても、勝てるわけないんですよ。じゃあ、そいつらにどうやったら勝てるんですかと考えなきゃいけない。自分たちが甘えていることを自覚して、そのうえでどうやって戦うか。そこが東大野球部にはないんですよ。同じ舞台に立っていると思っているだけで。