――第一印象というか、東大野球部の練習会には行きましたか。
松岡 行きました、年に1回。
――1年生の春シーズンには、慶応の増居翔太や立教の山田健太が結果を残しているのを、神宮のスタンドから見ていたわけですよね。
松岡 練習会のときには、わかんなかったんですけど、高校時代から大学野球の厳しさを聞いていたので、東大野球部の人たちって、僕たちにやさしくしてくれるけれど、すごいんだろうなって思っていました。カッコいいな、一生懸命に戦ってすごいなって(笑)。大学に入って練習やったら、すごいヌルい。エラーしたってヘラヘラしている感じで、緊張感がないんですね。
「僕らは実力不足を自覚しなければならない」
――入学したのは浜田一志監督(2013年~2019年)の最後の年で、連敗街道の真っ只中、ピッチャーもそろっていませんでした。
松岡 64連敗しましたからね。
――松岡さんは東大野球部に、物足りなさとか、忸怩たる感じとか、最初からあったんですか。
松岡 僕もそうかもしれないけど、東大野球部って、カッコつけちゃうんです。実力差をわかっていればいいんですけど、六大学野球っていう世界で、やつらと同じフィールドで戦っているかもしれないけど、僕らは実力が足りていないことを自覚しなければならない。
明治に負けても森下(暢仁・広島)からヒットを打ったからって、なんやねんって話で、分不相応なんです。真剣に戦わなければならないのに、バッティング練習のホームランぐらいで喜んでいるんだから。