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山咲 私自身も小学校の高学年、中学校では壮絶ないじめを体験していて、上級生、下級生、先生にまでオカマと言われる時代だったから、偏見がなくなるのはいいかなと思っています。

 何年か前に私がLGBT支援イベントの沖縄大使をさせていただいたことがあるんですけど、そのときに6時間のイベントで私は壇上から下に降りて、皆さん一人一人のお話を聞いていたんです。

 だいたい1000人弱ぐらいのお話を聞いたら、人の数だけ悩みや抱えているものがあることがわかって。だから、そういうことを聞いてくれる人が必要なんじゃないかなと思いました。

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「悩みを聞いてくれる人が必要なんじゃないかな」©平松市聖/文藝春秋

――少し前にも首相秘書官の方が性的マイノリティや同性婚に関連して「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と発言したことが問題になっていましたね。

山咲 「何言っちゃってんの?」という感じですよね。たとえば、普通の男の人だって女の人だって、いちいち自分の性癖を明かさないじゃないですか。それと同じで、いちいち目くじら立てることではないような気がするんだけど。

山咲トオルのこれからの夢

――今後はどういう活動をしていきたいですか?

山咲 画廊での個展はやりましたが、今度は自分で箱を借りて個展をやりたいんです。ハリウッドの大スターの方の絵を描いたり、ホラー漫画の原画を出したり。

 あと、私の憧れの歌手に弘田三枝子さんという方がいるんですね。その方が2020年にお亡くなりになったときに衣装5着がオークションに出て、私が全部落としたんですよ。マネキンを買ってそれを着せたりして。

 そういうお宝ものがまだまだたくさんあるので、そういうのも含めてめちゃくちゃな展覧会をいずれやりたいですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。