入学してすぐ、A「上手なグループ」、B「普通のグループ」、C「初心者のグループ」に分けられたのですが、なんと僕はBクラス。
「小3から乗馬を始めて、県大会で3連覇した俺がB……」
自分の技術を疑っていなかった僕は、「なんやねん! ふざけやがって」と、ひたすらに憤っていました。
思えば、ここもまた“負け”からのスタートです。
書いていて改めて思いますが、僕のエピソードは、ことごとく負けている状態から始まります。そこに、「負けたままで終わるな!」と油を注ぎ続けたのが母。我ながら、ギラギラとした闘志を育てるしかなかったのです。
入学後わずか10日で「辞めます」
その後、Bクラスの一員として、実際に授業で馬に乗り始めたのですが、あろうことか、今度は罵られ続ける日々が始まりました。
「この下手くそが!」「お前の乗り方は古い!」という教官の怒声に来る日も来る日もさらされ、15歳の僕の心は徐々に擦り減っていきました。
そんなこんなで自信を失いかけていたとき、実習中に落馬した際に壁に叩きつけられ、右足首を骨折。入学してわずか10日目のことでした。
骨と同時に、心も完全に折れてしまった僕は、ボストンバッグに荷物を詰め込み、松葉杖を突きながら教官の前に立ち、「辞めます」と伝えました。
その時点で、すでに何人もの同期が辞め、辞めると言った当日、もしくは翌日には迎えにきた親に連れられて帰っていく姿を見ていました。だから僕もすぐに親が迎えにきて、佐賀に帰れると思っていたのです。
しかし、なぜか校長に引き留められ、辞めさせてもらえませんでした。
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