国内のあちらこちらを歩き回っていると気がつくのが「世の中暇な人が多いな」と思わされる光景にでくわすことだ。
先日、平日の夕方に岡山で仕事を終えて、夜の会合に出るため新大阪まで新幹線で移動した。時間が定かでなかったので予約はせずに駅の券売機でチケットを買おうとしたところ、指定席は、3人掛け席の真ん中の席の一部を除いてすべてが完売している。岡山と新大阪間はたまに使っているのだが、常日頃はそんなに混んでいない。仕方なくグリーン車を覗いてみたが、7割くらいが埋まっている。
新幹線もホテルも平日から…
乗車したのぞみ号は、まるでゴールデンウィークやお盆、年末年始の車中を思わせる光景だった。
新幹線車内のみならず降車した新大阪駅もそこから向かった大阪駅も観光客でいっぱいである。ちなみにその晩に泊まる予定の大阪市内のホテルも予約でかなり埋まっていて、宿泊費もコロナ前に比べても3割くらい高い水準だ。こんなに観光客が増えたのは復活したインバウンド客のせいかと思いきや、国内客もたくさんいる。高齢者や春休みの学生さんばかりではなく、現役世代と思しき夫婦、大人の友人グループも目立つ。
観光ばかりではない。東京都心にある丸の内仲通りを歩いてみるとよい。平日の昼、2時でも3時でも通り沿いのカフェは超満員だ。渋谷や新宿ならまだしも、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)といわれる日本を代表するオフィス街が、あまりオフィスでは働いていなさそうな客でごったがえしている。仲通りの入り口にあるペニンシュラホテルのアフタヌーンティーは、平日昼でもおしゃべりを楽しみたい客で大行列を作っている。
平日の通勤時間帯に新橋駅や神田駅で降りると駅周辺はパチンコ屋の開店を待つ人の列が街区周辺を、とぐろを巻いて取り囲む。決して年金暮らしの高齢者ばかりということはなく、まだ十分現役と思われる人たちが大半だ。昼間になると、駅構内や百貨店にある有名なお菓子店の前には、地域限定品やら数量わずかの希少品を手に入れようとする買い物客で大行列が形成される。
みんな、何しているんだろう? 仕事はどうしているのだろう?