さて、皆さん、今年もシーズン開幕おめでとうございます。私も、新年度から何と所属先大学の「研究科長」(大学院の「学部長」くらいの管理職だと思ってください)を押し付けられ、いや就任し、心新たに「新しいシーズン」を迎えています。でも、本当に予算の削減に次ぐ削減で、国立大学はお金がないんですよ。特に、文部科学省から目の敵にされている、人文社会科学系の部署は厳しい。「先生、このまま電気代が上がり続けたら破産します」と事務方に言われて頭を抱えるくらいで、まじ辛い。お金欲しい。ロシア、戦争やめろよ。電気代下げてくれ。

低迷を続ける日本の国立大学がバファローズから学べること

 そんな神戸の片隅の国立大学の教員の置かれた境遇とは打って変わって、我らがオリックス・バファローズは、極めて順調。「日本シリーズ覇者」となって迎えるこのシーズン、吉田正尚がレッドソックスに去り、山本、宮城、宇田川、そして追加招集された山崎颯一郎がWBCで抜ける中でも、オープン戦を余裕の首位で通過。試合内容も、打たれて逆転されて、必死で追いついて、的な余裕のない展開ではなく、オープン戦らしく、様々な選手を試しながら戦っても、9回を終わったら当たり前のように勝っている、という試合多数。えー、これホンマに強いチームの試合運びやん、このまま行ったらまじどうなんねん。パ・リーグの他のチームが可哀そうやないか。コミッショナーに怒られるぞ。

 で、考えた。ひょっとして、低迷を続ける日本の国立大学が、嘗ての暗黒時代からうって変わって快進撃を続けるオリックス・バファローズから学べる事があるのではないか。まず、親会社。バファローズの親会社は金持ちで、球団経営に理解がある。日本政府はお金がなく、高等教育に熱意はない。これはダメだ。次に、経営者。そうだ中嶋さんがうちの大学に、と考えたが、これ以上書くと自分自身のクビが危うい。すぐにでも伝説のアスレチックトレーナー、中垣征一郎巡回ヘッドコーチにとって代わられそうだ。

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 だとすると、他に何があるだろうか。できる教員を海外に売って、20億円儲ける。うん、これは良いかもしれん、考えてみれば俺だって若い頃にはボストンにいたんだよ。ハーヴァード、俺のこと、年俸20億円で引き取ってくれんかなぁ。でも、よく考えると、大学教員は移籍が自由なので、そんなに高給を貰えるような人材は、とうの昔に今の国立大学から逃げ出しているに違いない。同じ理由で、ドラフト1位で将来有望な選手を取るのもダメだ。そんな人は、もっと待遇の良い国の、遥かに待遇の良い大学に行くに決まっている。また、フェンウェイ・パークで野球見たかったけど無理そうだ。