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「弱くなって当然」「戦力はカタールW杯時より50%ダウン」城彰二が語る、第2次森保ジャパンが“弱体化した”理由

2023/03/31

 3月28日、サッカー日本代表はキリンチャレンジカップでコロンビア代表と対戦し、1-2で敗れた。元日本代表FWで、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏はこの試合をどう見たのか。話を聞いた。

日本代表の森保一監督(左)と名波浩コーチ ©時事通信社

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改めてFWの問題が浮き彫りに…

――今回は、攻撃の構築が大きなテーマとしてありました。ウルグアイ戦、コロンビア戦と2試合を終えて、その取り組みに何らかの成果が見えたでしょうか。

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城彰二さん(以下、城) 見えませんでしたね。今回、攻撃時は遅攻の組み立てをやろうとしていたのですが、そのベースとなる縦パスが前に入らない。なぜ入らないのかというと前線に収められるセンターFWがいないから。

 コロンビア戦の前半は中盤のプレスがそれほどキツくなかったので、スペースが空いて、その合間でボールをもらえていたけど、後半、相手のエンジンがかかってきて守備の強度が高くなった時には何もできなくなってしまった。前で収められる選手がいないと自分たちが主導権を握った時、そこで何もアクションを起こせなくなってしまう。改めてFWの問題が浮き彫りになりました。

――コロンビア戦の後半、日本は選手交代を行い、2トップにするなど変化をつけていましたが。

 コロンビアは、サイドバックを高い位置に上げて、主導権を取りに来ていた。日本は、2トップにしたけど、4バックのままではなく、3バックにして中盤を厚くすべきだったと思います。4バックのままで2トップだとボールをもらえるスペースが少なくなって、前線の動きがなくなってしまう。あれでは浅野(拓磨)を入れても何の効果も得られない。

 日本も3バックにして両ウイングバックの位置を高くし、中盤でボールを収められるようにしないと2トップにする意味がない。そういう中で、ディフェンスラインから前に縦パスを入れようとしていたけど、精度が低いから引っかかって中盤で奪われることが増えて、そこからカウンターをくらうシーンもあった。

浅野拓磨選手 ©JMPA

遅攻をどう組み立てるのか

――試合中、システム変化でチームに混乱が生じていました。

 浅野が遠藤(航)にメモを渡して、遠藤がそれを持ってプレーしていたけど、そんなことは普通はありえないですよ。中盤をダイヤモンドにした際のポジションとかの指示だと思うんですけど、まったくやっていなかったんでしょうね。あれじゃあ、やっている選手は「えっ」となります。

 結局、遅攻をどう組み立てるのか、新戦力をどう既存のチームに当てはめていくのか。大事なところが行き当たりばったりの采配でボケてしまった。代表は常に勝たなければならないという森保さんの気持ちは分かるけど、この2試合は、勝利だけを追求するものじゃない。やらないといけないことの優先順位がブレるから全体的に内容が良くない、結果も出ない、課題も克服できないまま中途半端な状態で終わってしまった。すごくもったいない2試合だったと思います。

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