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「弱くなって当然」「戦力はカタールW杯時より50%ダウン」城彰二が語る、第2次森保ジャパンが“弱体化した”理由

2023/03/31

大迫を参考に世界基準のポストプレーを

――コロンビア戦は、FWの問題を解消しようと町野(修斗)がスタメンで出場し、途中からは上田(綺世)が投入されました。

 町野は、まだJリーグの選手という感じです。1点目、右サイドで起点を作って落として、三笘(薫)のゴールを生んだところは良かったけど、ポストプレーがJリーグでやっているままなんですよ。町野はどうしてもポストプレーの際、ボールを迎えにいってしまう。そうなると後ろから相手もついてきて、ボールが入った時にガツンと当たられてバランスを崩してボールを失ってしまうんです。そういうシーンがすごく多かった。

三笘薫選手 ©JMPA

――なかなか収まらなかったですね。

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 動いているだけって感じでしたね。参考にしてほしいのは大迫(勇也)のプレーです。以前の大迫は、ボールを迎えに行き過ぎて、そこで潰されていたんです。でも、ドイツでプレーしている中で、ボールを迎えにいくフリをして止まり、身体を使って相手をがっちり抑えて起点になるプレーができるようになった。そこからポストプレーが安定したんです。

 日本代表で生き残っていくなら、そういうプレーを高いレベルでできるようにならないといけない。町野はそれができるポテンシャルがあるから、これから世界で戦う基準のプレーを覚えて行ってほしいですね。

――トライすれば大迫のようなポストプレーができる可能性はあると。

 そうですね。ただ、コロンビア戦では及第点はつけられない。攻守のバランスという意味では、守備で体力を使っていました。西村(拓真)と2人でボールを追い掛けまわしていたのですが、それが森保さんのスタイルだし、それをやらないと使ってもらえなくなるから仕方ないけど……。今回は自分の良さが消えてしまっていたので、もっと自分の間合いでプレーしてほしいと思います。

カタールW杯後に続投した森保一監督 ©JMPA

――今回、バングーナガンデ(佳史扶)選手も初出場、初スタメンでした。

 バングーナガンデは、初出場のわりには良かったと思います。試合途中で故障してしまいましたが、攻撃的に行きたいという気持ちがあるせいか、かなり高い位置でポジションを取っていましたし、三笘が開いたらインサイドに入ったり、逆に三笘がインサイドに入っていったり、ウルグアイ戦とは違う攻撃のパターンが見えた。

 FC東京でのプレーよりも攻撃的でしたね。ただ、守備の部分では1対1のところでの弱さが出ました。今後、守備の強度を高め、戦術の理解度を深めていけば代表でやっていけると思います。