「週刊文春」の人気連載『ツチヤの口車』の挿絵でお馴染みヨシタケシンスケさん。絵本『なつみはなんにでもなれる』が、「MOE絵本屋さん大賞2017」で第1位を受賞した。同賞は全国の絵本書店員の投票で選出。ヨシタケ作品は過去4作品が受賞するほど圧倒的な支持を得ている。
「僕の本はお得なのだと思います。大人にも子供にもおもしろいという評価をいただけているので。絵本は子供が読むけれど、大人が買うという、特殊なジャンルですから」
とある編集者から絵本のオファーをされたが、最初はうまくできなかった。
「それまでは、イラストレーターとして、お題を与えられてそれに打ち返すように絵を描いていました。何でも自由に描いてくださいというオファーには対応できなかったんです。はじめて描いた『りんごかもしれない』は、りんごというモチーフをもらって、事実ではなく想像力を使い、いろいろな視点で描くことになったのですが、これが僕に向いていたのです」
ちょうどその頃お子さんが誕生したこともよい影響を与え、これまでの経験が結実し人気絵本作家となった。
「子供は世界で一番飽きっぽい生き物。最後までページをめくってもらえるように心がけて描いています」