「櫻井さんは人気ベテラン声優なので、担当キャラクターは数知れず。その枠が空くということは、若手声優やさらなる活躍を目指す中堅声優にとってはまたとないチャンス。事務所側はどうにか空き枠に所属声優を食い込ませて仕事を取れないかと動いていました。しかもあるキャラクターに関しては、内々に声をかけていただいた声優もいました。ただ、声優本人が首を縦に振らなかった」(声優事務所関係者)
多くの声優にとって、櫻井の後任はあまりに“重すぎる”ようだ。
声優たちが“櫻井枠”に消極的なワケ
「アニメファンはキャラクターの声が変わることに敏感です。どうしたって比べてしまいますから。しかもタイミングも悪かったんですよ。櫻井さんの不倫報道と同時期に映画『スラムダンク』の主人公の配役がTVアニメ版を担当した草尾毅さんではなく、木村昴さんに決定したと発表された。これに対するファンの反発は凄まじいものがありました。第一線で活躍するあの木村昴さんでさえここまで炎上するわけです。声優たちも『チャレンジしてみようという気持ちは微塵もなくなった』と言っていました(苦笑)」(同前)
声優業界で唯一無二の実力を誇る櫻井だが、それでも一連の醜聞が業界に与えた影響は大きかったようだ。声優事務所関係者はこう明かす。
「櫻井さんの不倫報道第2弾が出たタイミングで、業界大手の声優事務所『X』や声優事務所『Y』内部で所属声優たちが呼び出されています。『類似事象に該当するような事してないよね?』とヒアリングされたようですね。『櫻井さんみたいな事になったら事務所は守りきれない』『プライベートも常に人に見られている意識を持て』などと注意喚起を行ったと聞いています。声優業界は芸能界に比べると比較的“ゆるい”面もありましたが、報道後、空気が随分変わりましたよ」
ラジオ関係者もこう嘆息した。
「櫻井さんとは以前からラジオ番組で一緒に仕事をしてきましたから、彼のことは良くも悪くもよく知っています。彼は物腰こそ柔らかいですが、少し傲慢な部分もありました。2006年に上演された舞台『ETERNITY』で三谷幸喜さんの脚本の盗作が発覚し、櫻井さん自ら謝罪したことがあったんです。ただ、その時に彼は『何をやらかしても、事務所とこの業界は必ず俺のことを守ってくれる』と自慢気に語っていました。
しかし今回ばかりは、櫻井さんもこれ以上事務所に迷惑をかけられないと思ったんじゃないでしょうか。事務所社長は『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』のシン・アスカ役も演じた声優の鈴村健一さんですが、今回の事後処理で相当疲弊しているようです」
約8年半所属した古巣を離れる櫻井。今後、どのようにして“けじめ”をとっていくのだろうか。