東証プライム上場の「空港施設」の代表取締役副社長で、国土交通省OBの山口勝弘氏(63)が取締役だった2021年5月、国交省側の意向だとして代表取締役副社長のポストを自ら要求し、実際に就任していた問題。山口氏が「週刊文春」の取材に応じ、社長に辞意を伝えたことを明かした。その後、空港施設は山口氏の辞任を発表した。
空港施設は、羽田空港など各地の空港で施設運営を手掛ける民間企業だ。同社を巡っては、朝日新聞が、国交省の元事務次官が昨年12月、副社長の山口氏を社長にするよう求めていた問題を報道。さらに同紙は、山口氏が2021年5月31日に行われた役員出席の会議で、国交省側の意向だとして代表権のある現在のポストを要求していた問題を報じていた。要求にあたっては、航空行政に許認可権を持つ出身官庁の権限を誇示するような発言を重ね、他の役員から「人事権への介入ではないか」と反発も出ていたとしている。
山口氏は1983年、東京大学法学部卒業後、旧運輸省に入省。2012年8月に新関西国際空港株式会社執行役員、2016年7月に国交省東京航空局長、2020年6月に空港施設取締役に就任。前述した2021年5月の会議で代表取締役副社長ポストを要求するなどして、同年6月に代表取締役副社長に就任していた。