〈師匠は(オフィスに到着すると)すぐさま「もうあれだな。話になんねえな。打ち合わせどころじゃないな」と状況を察していた。当然ですよね。じゃあ、どうするか。なぜか「飲みますか」という話になったんです。不謹慎に思われるかもしれませんが、正直、飲まなきゃ、やってられない気分もありましたね。スタッフの一人が机にドンッとウイスキー瓶を用意して、うちのオフィスの冷凍庫には丸氷があるので、みんなでロックで飲み続けたんです。一歩外に出ればカメラの放列が敷かれているというのに、まるで台風の目にいるようでした。普段はあまりお酒を嗜まない師匠も私たちに付き合ってくれて、何時間経ったか覚えていませんが、午後3時頃に帰って行かれました。
家宅捜索があった1月以降、夫が逮捕される可能性については少なからず覚悟していました。事情聴取は頻繁に行われるし、弁護士の先生からも「準備はしておいてください」と言われていた。ただそうは言っても、気持ちはずっと揺れ動いていました。人間というのは不思議なもので、どちらに転ぶかわからないという不確実性の中にいるときに一番恐怖を感じます。そのことがよく分かりました。
逮捕の事実が伝えられた瞬間、そうでない方の道は閉ざされた。「ああ、夫は行ってしまった」と悲しいのですが、心のどこかで自然と諦めの境地に達したんです〉
メール等も提出し、検察には全面的に協力
一部マスコミでは三浦氏が夫の事件に関与しているのではないかという疑惑を報じているが、三浦氏はそうした疑惑を否定している。
〈私が何も反論を口にしないのは、第一に事件について、投資家との間でトラブルが生じ、横領の疑いをかけられている以上のことを本当に知らないからです。1月に私が出した《まったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない》というコメントの通りです。
夫の会社の売り上げも知らなければ、問題となっている資金の流れや、それが何に使われたのかも知らない。投資計画を見たこともないので、私自身、意見を言うことも何の判断もできない状態だったんです。